ケープタウン近くのスラム街へ行ってきました
2013年6月 1ランド=約10円
【南アフリカ】 スラム街へ行ってみた① – El Mundo
の続き。
タウンシップの中でも最下層の人が住むエリアへとやってきた。
◆タウンシップの生活
写真にあるように一応区画はされている。
しかし、政府の目には届かない場所だし、もちろん土地代や家賃などは存在しない。上の人からすれば「どうでもいい」場所になるのだろう。
こういう土地があるので、人口などの把握も不可能となる。
ある一軒のお宅へとお邪魔する。
バラック小屋、トタン屋根、木造でできている。場所柄大雨が降ったり、強風が吹くところではないけど、一つデカいのが来たら大ダメージを受けそうな家。
お父さんとお母さん、子ども3人が暮らしている。
見るからに若そうな家族、南アフリカにおいて早期出産は珍しくはないので、おそらく10代で出産しているのだろう。
かなりボロい内装を想像したのだが、意外にもしっかりしている。テレビもある。
だけど、お父さん、お風呂に入るのだがバケツに水をためてそこで洗っていた。
満足な水道も得られない環境だった。
目の前にある光景が、驚くことばかりで、ガイドの話もあまり耳に入ってこなかった。
昨日、南アフリカの最上級の生活を見たと思いきや、今日は最下層の人の生活を見る。身を以て、格差社会を感じたとき。
生活は大変だろう、しかし殺伐とした空気ではなく、穏やかな空気が流れていた。
生活は苦しいけど、楽しんで生活している。金持ち=楽しい生活というわけではない。
僕が訪れたタウンシップは治安面では問題なかった。ここのエリアでは、「あまり好き勝手歩かないでくれ」と言われたけど、治安面というわけではなく、彼らの生活を侵さないようにするため。
見せものとされていることに不快感を覚える人もいるだろうけど、今回お邪魔させてもらった家は当然ツアー会社からお金は入ってくる。なのでそれを生活の糧にする方法もあるわけだ。
彼らは彼らの生活がある、変な東洋人が加担してはいけない。
タウンシップから移動する時、川沿いのバラック小屋に目が入った。
今まで見てきた場所よりも、最もひどい場所。衛生面の心配もそうだし、家が崩れかかっている。
さすがにここは訪れることが出来なかった、危ない場所なのかも分からない。タウンシップも奥が深い。
車の中から写真撮ってたら子どもたちが寄ってきた。
カメラに興味を示してくれたのだろう、すごく純粋で写真撮って見せたら喜んでくれた。
やっぱり盗難やマネーとか想像したけど、全くそういう発言もなかったので安心。
純粋のまま育ってほしい。
◆タウンシップにある唯一の宿
Khayelitsha(カエリチャ)という地区には、タウンシップ唯一の宿がある。
ここのタウンシップも一つの街なので、貧しい様子には見えない。しかし、ハイウェイ沿いにはバラック小屋が建っている。
中の様子を見せて頂く。
掃除が行き届いていて、清潔に保たれている。宿の形態としては、B&Bスタイル。
1泊ダブルルームで250R(約2,500円)。
キッチンもあるし、宿は静か。南アフリカW杯の時は新聞などにも取り上げられて、お客さんも多く来たようだ。
住宅地の中にあるので、場所は少し分かりにくい。地元の人に聞くのがベストだろう。英語も話せるし、治安も悪くないエリアなので問題はない。
1本路地に入ると舗装道ではなくなる。まだまだインフラは整っていない場所だ。
だけどそこには子どもたちが遊ぶ姿が見られる。ボールを蹴ったり、走り回ったり。昔、僕が小学校の終わりにしていたようなことがそこにはあった。
どこか懐かしい光景を見ることができた。
タウンシップからの帰り、車はハイウェイを走る。
ハイウェイ沿いにはバラック小屋が並ぶ地帯がいくつもある。空港からの道になるので、空港から来た人からしたら「なんだこれ」と思うのかもしれない。
南アフリカの現実を見ることができるだろう。決して華やかなイメージだけではない。
ツアーの終わり。近代的な建物がある町へと戻ってきた。
太陽に輝くテーブルマウンテンが美しい。
一緒に参加したイギリス人老夫婦は、非常に満足した顔で車を降りていった。降りた場所は高級ホテル、しっかりチップも払っていたし、タウンシップでもお金を落としていった。
ただ、個々の家庭や子どもたちにお金を落とさなかったのは、非常に好感を持てる。もし彼らにお金を払ってしまうと「あ、観光客はお金をくれるんだ」と学んでしまうので、後々めんどいことになるからだ。
賢いお金の使い方ではないけど、「払うところは払う」と弁えているのは、彼らから学ぶ点だ。
タウンシップツアーに参加して、今まで思い描いていたイメージを覆された。治安もいいところと悪いところ、はっきりしている。なのでツアーに参加したのは間違えではないし、何よりもガイドの人がいるので、色々と質問が出来ることも魅力だ。
僕は善意溢れる人間ではない、なのでタウンシップのために何かをするわけでもない。僕の中で大事だと思うことは「事実」を日本にいる人に見てもらうこと。
ブログという媒体ではあるが、「世界にはこういうところがある」ということを知ってほしい。
その場の空気は実際に行った人でないと感じられない、もしタウンシップに興味があるならば現地に訪れてもらいたい。
◆タウンシップの宿情報
【宿名】VICKY`S B&B
【住所】Kiyane St, Seit C, C-685A, Khayelitsha, 7784, Cape Town, South Africa
【電話】+27(0)21 387 7104
【メール】vickysbandb@yahoo.com
【HP】journey.digitalspace.net/vicky.html
【料金】ダブル:250ランド(約2,500円)
【設備】キッチン
個人の場合は何が起こるか分からないので、自己責任でお願いします。
◆タウンシップツアー
【時間】午前 or 午後(5時間~6時間)
【料金】440R(約4,400円)
【内容】宿ピックアップ⇒アパルトヘイト博物館⇒タウンシップ①(Langa)⇒タウンシップ②(Khayelitsha)⇒宿送迎
【申し込み】基本宿で申し込める
◆タウンシップへ個人で行く場合
・レンタカー
喜望峰の帰りに寄ることが出来る。
Langa(ランガ)やKhayelitsha(カエリチャ)はN2(ハイウェイ)沿いにあり、道路から見て分かる。
バラックが見えたら近くの出口で一般道に入り、近くに行ける。
車なので、何かあっても逃げられるのと停まりたいところで停まれるのでいい。
どのタウンシップも大通りはあるので移動は楽。
明らかに高そうな車や新しい車だと目に付く、また強盗もいる可能性はあるので、夜は注意。
・ミニバス(タクシー)
ケープタウン駅周辺(2F)からタウンシップ方面へのミニバスが出てる。
Langa(ランガ)は降りたらN2方面に歩けば見えてくる、Khayelitsha(カエリチャ)はもろ中に到着する。
・メトロ(近郊電車)
Khayelitsha(カエリチャ)に電車で行ける。
ノンクベラという駅が最寄り。
駅からはバラックまですぐ。メトロは路線によっては治安が悪い時間帯があるので、確認しておくとよい。
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