「蚤の市」。
僕が好きな言葉だ。西欧では週末になると、一つの通りが歩行者天国となり道の両端ビッシリと店が建ち並ぶ。海外を旅していて、機会があればその土地のマーケットや蚤の市には行くようにしていた。「どんなものが売っているのだろうか、何があるのだろうか」。興味を持って出店を冷やかしに行く。何か面白いものがあれば買うし、無ければスルー。そこで始まる値段交渉や会話がとても面白い。歩いていて楽しいし、一日過ごしてしまうほど。
現地のマーケット情報はいつもチェックしていた。ロンドンに居た時、週末に滞在が重なったのでノッティングヒルで行われる蚤の市へ行ってきた。
ノッティングヒル
ロンドン西、映画「ノッティングヒルの恋人」で舞台になった場所。僕は映画のイメージがあるので、それで名前を知った。小さい頃に見てから一度も見ていないので、内容などは殆ど忘れてしまった。だけど、Elvis Costelloが歌う”She”は穏やかな曲調で今でも記憶に残っている。
最寄りは「ノッティング・ヒル・ゲート駅」。3つの路線が通るので、オックスフォード・サーカスやキングス・クロスなどから1本で来ることができる。ロンドンの高級住宅地として知られるノッティング・ヒル。純粋に街歩きを楽しむことにした。
駅の近くはショップが入っている。建物の高さが統一され、区画が整理されている。色は落ち着いた雰囲気。イギリスらしい街並みだ。
ユニークな店も。
路地は狭い。そこに車が路上駐車しているのでより狭い。
秋に差し掛かるノッティングヒルは、僕の気持ちを穏やかにさせてくれる。天気が良ければもっと高揚な気持ちであっただろう。
1つ1つの住宅を見ていくのも面白い。住んでいる人からすれば観光客が多すぎて落ち着けないし、行政的な問題で整理しないといけないし、メンドイだろう。
地下鉄の駅から5分ほど。ノッティングヒルのマーケットである「ポートベローロード」へとたどり着く。
蚤の市
ここの蚤の市の範囲はかなり大きい。こじんまりとしたものかと思いきや、巨大なマーケット。ずーっと道なりに屋台などが続いていくので、往復するだけでもかなりの時間がかかってしまう場所だ。
ここのポートベロー・ロードは日曜以外毎日開催されている。特に土曜日はアンティークの蚤の市が開かれるので、とりわけ人も沢山訪れるのだ。まだ10時頃と少し早かったけど、多くのロンドン市民がやってきていた。観光客にも有名なので、カメラを持った人もちらほら。
店員さんとの会話を楽しみながら。一つ一つのお店がとてもユニークだ。「これ誰が買うのか」というものから「これは掘り出し物ではないか」というところまで。様々な店がある。屋台だけではなく、その裏にある店にもアンティーク系や雑貨など色々あるので、歩いていて飽きることはない。
ゆっくり一つ一つの店を見ながら散策を続ける。
「これいいな」と思っても値段を見て断念してしまうことも。長期旅行の途中でもあったので、無駄遣いは禁物であった。さすがにこの人形は買うようなことはしないけど。
お店がビッシリ並ぶ上、違う通りにもお店が出ているので、すべてを見て回るのは不可能だろう。一日じゃ到底無理だ。
おもちゃを売る店も。ヴィンテージな雰囲気を出していて高そう。一人のおじさんが熱心に眺めていた。車が盛んな国ではミニカーを購入しているのだが、このノッティングヒルではミニカーを売るお店はなかった。もしかしたら僕が見落としただけかもしれないけど。
「誰が必要するのかな?」と考えてしまうものも。これ何の屋台だっけな。あ、アンティークなサッカーやラグビーボールだ。
だんだんと人通りも多くなってきた。
マーケットは広い、このような案内もある。アンティークが終わると食べ物エリアに入りそうだ。行ってみよう。
アンティークが終わり”New Goods”と呼ばれる場所。ここではTシャツや服、雑貨など日常的に使うものが売られている。「オシャレ」ではないけど、モード的なところだ。
決して値段は安くはないけど、他の場所では買うことができない店もあり面白い。中にはお土産屋もあってここが観光地であることを思い出させてくれる。経営はインド人。
クレープ屋台もあった。1ポンド。
食べ物エリア。時間帯が少し早いからか、まだ準備中の屋台も多かった。
様々な屋台が並び、途中途中には食べ物も。昼前なので絶賛準備中。
バレンシア風のパエリアだ。他にはホットドッグとか。
チキンが焼いてあり完成が楽しみ。時間的な問題でみることはできなかったけど、おいしそうな雰囲気が出ていた。
全身緑のスタバも。
食品マーケットを過ぎると、再び服や雑貨などの蚤の市に突入した。
毎年夏にはノッティングヒルでカーニバルが行われる。
ノッティングヒルゲートからゆっくり歩いて1時間ほど、Ladbroke Grove駅へと近づいてきた。ラドブローク・グローブ駅から来ると、雑貨や古着、食品、アンティークという流れでノッティングヒルへ向かうことになる。
ランチも一緒に、と考えている人は逆向きで歩いていくと、ご飯を食べてから楽しむことができるだろう。「ランチは最後」という人はノッティングヒルゲートから歩くと、丁度お腹が空いた時に食品エリアへ入ることになる。
セントロからアクセスはとても便利なので、どちらの駅も使うことができる。土曜はアンティーク市が開かれるので、人通りも多いけど、それ以外の曜日は落ち着いているようだ。それぞれ違う日に訪れて、異なる楽しみ方をしてもいいかもしれない。
まとめ
簡単に写真を交えながらノッティングヒルの蚤の市を紹介してきた。「ロンドンの休日」と言えるほど、休みの日にブラブラしたい場所である。東京で言うところの吉祥寺でブラブラ。個人的にはとても面白いマーケットであった。
掘り出し物はもしかしたら見つかるかもしれないが、過度な期待は禁物だ。自分にとっていいものがあれば、どんどん店主と話して手に入れよう。誰もが楽しめるマーケット、それがノッティングヒルだろう。
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