【ボリビア】 ラパスを安全に旅するための手引き

ラパスを安全に旅してほしいので治安対策を書きました。

1Bs=約18円

◆はじめに

ボリビアの首都・ラパス。ウユニ塩湖に行くツーリストは必ず訪れるのではないだろうか。国際線が発着する空港がある上、ペルーから陸路でやってくる観光客も必ず経由する町。

ラパスに滞在する日本人はかなり多いだろう、現に多くのツーリストに出会った。ラパスには1週間ほど滞在していたけど、やっぱり噂通りの「治安が悪い」場所であった。

これからの1月~3月の時期、多くの日本人旅行者が訪れることだと思う。

今回はラパスの治安対策を書くことにする、しっかりと警戒してもらって、個人で安全対策に努めてもらいたい。

「おれは大丈夫っしょ」と思っている人、そういう人が被害に遭っているので、甘い気持ちで行かないでください。心配する人増やさないように。

◆気をつけるべき15のポイント

気をつけてもらいたいポイントが山ほどある。要点だけをまとめた。

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① エル・アルトに行く時は十分の注意が必要

エル・アルトはラパスでも有数の貧困街。標高が高いところにあるので、貧しい人々が住むエリアでもある。泥棒市やおばぷろで行く日本人も多いだろうが、昼に行こう。

夜は100%行かないでもらいたい。どうしても行きたい人は自己責任で。事件に巻き込まれても知らない。勝手にしろ、というところだ。治安がよろしくない場所なので、警告しておく。

エル・アルトの泥棒市場はスリがとても多い。いつも混雑しているので、そこで能天気に商品を見ている観光客から物を奪う。ポケットにはスマホやカメラとかは入れないように。

なるべく目が届く場所に持とう。僕はショルダーバッグを自分の前にかけて腕を組みながら歩いたり、チャックのところにカギをかけて簡単には開けられないようにしている。対策はしっかりとするべきだ。

② 夜は気をつけろ

ラパスの夜は治安が悪くなる。昼間でも危ない場所は危ないのだけれど、夜になると人通りが少なく場所も増えてきて、雰囲気的に歩きたくなくなる。

どうしても夜に移動するなどあるかもしれない。多少お金はかかっても、タクシーなり使うことで安全策を取ろう。被害にあった場合の事を考えたら安い買い物だ。

僕は夜に出歩くこともあったが、人通りが多い場所を歩くようにしたし、宿が不便なところの時はタクシーを使った。警戒MAXにしていたので何もなかったけど、宿で大人しく休んでいるのが正しいだろう。

③ タクシーは必ずしも安全ではない

②で「タクシー使うといい」と書いてあるけど、必ずしもタクシーが安全だとは言えない。逆に危ないということもあるので注意が必要だ。

多少の見極めは必要になってくる、白タクとラジオタクシーがあるのだが、ラジオタクシーは番号が車体に入っていて、車も新し目。見てすぐに分かるので、なるべくラジオ(無線)タクシーを使うようにしよう。ほぼトラブルはない。

白タクはトラブルの元。突然強盗になったりする車もある。宿で知り合った人は、荷物を取ろうとした瞬間に車が動いて、バックパックを盗まれたということもあった。タクシーだからって気を許してはいけない。

また値段交渉は必要、マヨール広場からバスターミナルまでは10~15Bsぐらい。スペイン語喋れるとかなり楽だろう。

④ 公共交通機関を駆使する

ラパスにはミクロやミニバスという移動手段がある。最近プマ・カタリというバスサービスを始めたのだが、旅行者には無縁な移動手段である。

タクシーは高い、と思う人はミクロやミニバスを使うだろう。とにかく安い、1回1Bs~2Bsとタクシーの1/10。安いし本数多いから、地元民も使うのでかなり車内は混む。なのでスリには気をつけて頂きたい。

英語を使う人は少ないので、ほぼほぼスペイン語オンリーだ。多少の単語は知っていると便利。ミニバスは行き先を告げるので、そこが大事になる。

“Esquina, por favor.”(角でお願いします)と言うと、交差点の角とかで停車してくれる。

⑤ 標高が低ければ低いほど治安が良い

ラパスは標高が高いところには貧困層、低いところには富裕層が住んでいる。それは単純な理由で「空気」の差だろう。なのでラパスの標高が低いところはエル・アルトや中心部で見る家とは違う建物が建っている。

とはいえ、ここはラパスだ。多少の警戒は必要である。だけど必要以上に怖がることはない、あまり旅行者が標高低いところに行く機会はないけど、覚えておいて頂きたいことだ。

⑥ 夜景ツアーには複数人

ラパスと言えば、すり鉢状に広がる夜景を見たい人が多いと思う。

ホテルの屋上から見えたりするのだが、はっきりと写真を撮りたくなるのが、人間だ。「ミラドール・キリキリ」と呼ばれる展望台までは歩いてもいけるけど、夜は危険な上、かなり坂を上る必要があるので、体力的な問題も出てくる。

なのでタクシーをチャーターするのがベストだろう。行き先と往復したいことを告げれば運転手さんも値段を言ってくる。それを抑えていくのだ。

ラパス中心部からミラドール・キリキリ往復で4人で40Bs(約720円)。1人10Bsの計算になる。お金は最後に降りる時に、先払いしてしまうと夜景を見ている隙に出ていってしまう。先払いと言ってくるドライバーはやめておこう。

複数人で行く理由はタクシー代が安くあがることもあるけど、複数人でいく安心感もあるからだ。

⑦ スリ、強盗には十分気をつける

これは当たり前のことだ。しっかりと対策をしてもらいたい。スラれたものはまず帰ってこない。

スマホやカメラには特に気をつけてもらいたい。首から下げていたり、手に持って歩くのは「私、高い製品持ってます!」とアピールするものだ。

それにポケットに入れるのもダメ。チェーンをつけていても盗まれることもある。中身だけ綺麗に無くなっているとか。

盗まれたくないなら、管理はしっかりしよう。自分の目につくところ。

それでも「ポケット、大丈夫でしょ」と思う人はポケットに入れればいいと思う。盗まれなかったらラッキーだ。

もし、スマホやカメラなど盗まれたらまず警察署へ、そして盗難証明書を書いてもらい、その後保険会社へ電話。手続きを進めよう。

多数の被害を聞いている、日本人はカモと思われているはずだ。日本の感覚でラパスを歩かないでもらいたい。

⑧ 長距離バスやバスターミナルで気を抜くな

移動中の長距離バスはゆっくり休みたいもの。だけど、警戒も十分必要である。

バス車内でも盗難はあるし、バスターミナルは人の出入りも激しいので置き引きも多い。

ラパスのバスターミナルに行くと分かるけど、明らかに怪しい奴がいたりする。そいつらは乗客が目を離した瞬間に物を盗もうという考えだ。

日本人は団体で行動していることが多いけど、逆にそういう人たちがやられたりしている。荷物はしっかりと管理してもらいたい。インフォメーションやバスのチケット売り場で荷物を足下に置くのは避けよう。盗まれる。

長距離バスでも盗難はある。休憩中、ふと荷物から目を離した時。物売りがやってきて寝ている時。

寝ている時にやられたらどうしたらいいんだ、と思う方もいるだろう。貴重品類を棚の上に置くのは危ない。自分で抱えるように持ってほしい。

僕はワイヤーを購入していたので、自分と荷物、そして座席をワイヤーで結んでいた。なので荷物を動かそうとすると、自分に反応、そして座席に付けているので荷物は動かない。面倒かもしれないけど、荷物を守るためにはこれぐらいのことは必要だ。

ラパスのバスターミナルで、警察官に連れられた女の人が泣きながらバスの窓口に抗議している人がいた。

話を聞いていると、荷物にスマホを忘れて、再度戻ると何もなかったということ。完全にこれは女性に非がある。忘れるほうが悪い。

結果、スマホは見つからないので肩を落として去っていったけども、気の毒と思うと同時に自己管理をしっかりしないといけないな、と思った瞬間でもあった。

はっきり言って盗難も運である。被害に遭った人は悪かったと割り切るしかない。

⑨ 宿でも盗難の可能性がある

宿でも気が抜けないのがラパス。盗難の可能性があるだけに荷物の管理も疎かにしなかった。

とはいっても、たいていの宿では問題はない。一部の宿では「泥棒宿」として名を知らしている。

サガルナガ通りにある日本人宿でも泥棒宿だった時もあったようだ。何で盗難があるのにわざわざ泊まるのか、神経を疑うのだけれど。

スマホやカメラを盗まれるということもあるし、衣類系もあったりする。

掃除の人とかオーナーとか。誰でも可能性はある。人がいない時、昼間とかにあったりする。もちろん夜寝ている時にも被害はないとは言えない。

ちゃんとしたホテルでも起きる時は起きる。金がない⇒生活どうしよう⇒ならお金持っている人から盗めばいい、という考えがあるのは非常に寂しいことだ。この民度は簡単には変えられない。

宿でもワイヤーや貴重品管理は徹底的に。鍵をかけた荷物に入れているだけで、盗難の可能性は十分に減る。

⑩ おぱプロの帰りはツアーバスを使おう

エル・アルトで毎週日曜日に開催されるおばちゃんプロレス(略しておばプロ)。

現地では”Lucha Libre”という名前で知られているけど、インディヘナのおばちゃんがプロレスをする姿は観光名所にもなっている。

外国人や日本人観光客に限らず、現地人も娯楽として楽しんでいる。日曜日の夕方から夜に行われる上、治安に不安が残るエル・アルトで行われるので、ツアーに参加して来る人も多い。

はっきり言って、ツアーに参加するのが安心だと思う。治安に不安がある場所、日本人の恰好でのこのこ訪れると何が起きるか分からないからだ。

気をつけてほしいことが1点ある。

僕は泥棒市散策もしたかったので、ツアーには参加せずミニバスでエル・アルトに訪れた。

帰る時、外に出るとツアーバスが止まっていて、予約していない人で乗れるということ。しかも値段は「タダ」ということで、乗車したら発車間際にスタッフの女性が「10ボリビアーノ」と言うのだ。

僕としてが「フリー」ということで乗っているだけに、この後だしジャンケンに腹が立った。嘘を言われるのが一番嫌いだ、ボリビア人に少なくはないことなので仕方ない部分もあるけど。

さすがにイライラしたので、今まで英語でしか話さなかったスタッフにスペイン語で文句を言って、バスを降りた。

ちなみにミニバスで帰ると5Bs。半額なのだがツアーバスはマヨール広場までダイレクトで行くので、治安やスピード面では保障されている。

基本的に「フリー」は嘘なので、お金を支払ってでもいいならば、乗るといいだろう。

⑪ 標高が高いから無理はするな

ラパスの標高は約3,600メートル。富士山並みに高い。ということは、高山病が起こる可能性も出てくる。僕はスクレやウユニなどの他の高山都市に訪れていたので、ラパスで体調不良になることはなかった。

ラパスから入る人は、初日は無理をせず安静にしていよう。

水を多めに飲み、ダルければ横にはならず、椅子に座って落ち着こう。寝ると悪化させる。

食べ過ぎ注意、腹6分目ぐらいがちょうどいい。お酒もアルコールがまわりやすいので、飲みすぎは注意だ。病院に行ったり、死んでもいいなら暴飲暴食をしてもいいだろう。

自分の体調は自分がよく知っている。「人が~しているから~する」というのではなく、自分の体調を優先し、違う行動を取ることも大切だ。

体調が悪い時は集中力が薄れているので、スリなどの被害に遭ったりすることもある。

日程は無理にせず、しっかりと管理してもらいたい。

⑫ お土産屋はボラられる

ラパスのお土産屋の人たちは今か今かと待ち望んでいるだろう。1月~3月、大量の日本人がボリビアに訪れる。スペイン語どころか英語も話せない人たち、自己主張も弱い人が多いので、お土産屋の人たちは「稼ぎ時だ!」と喜んでいるはずだ。

ラパスのお土産ストリート、サガルナガに近いリナレス通り。僕が3月に訪れた時、新宿を歩いていそうな人たちがたくさんいた。

お土産屋からしたらいい商売相手だろ、いっぱい買ってくれるし、お金落としてくれるし。

土産屋によるけど、値札が貼ってあるところとないところがある。言い値の場合もある。アジア人と見ると高く吹っ掛けてくる人も。なので定価を知っておくといいかもしれない。そうすると安心して商品を探すことができるだろう。

たいていの店は英語が使えると思ってくれてもいい。喋れなかったら諦めて。

どこも似たような商品を売っているので、目が利く人はクオリティが高いもの。ばらまきたい人は一つの店で大量に購入すれば安くしてくれる。

値段交渉はしよう、受け付けてくれない店もあるけど。スペイン語で行うと効果的。言葉が通じるだけであらよあらよと値段が下がっていく。

日本語でいこうと思えばいけるけど、スペイン語を少しでも覚えていくだけで変わってくるだろう。あとお土産屋の人は愛想悪かったりするけど、あれがボリビア人の全てだとは思わないでほしい。

⑬ 高いクオリティを望むなら金を出す

どこの国でもそうだけど、高いクオリティを提供してほしいならお金を出すことだろう。これは安全にも繋がってくる。

ツアーでも旅行代理店の安全なツアーに参加するとか、移動もプライベート送迎を頼むとか。金を出せばそれなりのサービスを受けられる。

お金が第一、やっぱり物事は金で動くのである。

⑭ 両替に気をつけろ

両替詐欺もあるので注意が必要だ。目を離した瞬間に偽札や少額紙幣に換えられたりすることもある。

なので相手に任せるのではなく、一緒になってお金の枚数を数えたり、確認をすることが大切だ。プロはかなり上手なので気が抜けたりしない。

僕は両替ではなく、現地のATMで引き出していた。スキミングの可能性もあるので、なるべく警備員がいる大手銀行のATMを使っていた。

おかげで一度も被害に遭うことがなく、旅を終えることができた。ボリビアならBNB(Banco Nacional de Bolivia)が使い勝手が良い。新生銀行のPlusカードなら確実に引き出すことができる。

そして、ボリビアでは大きな紙幣は商店とかではお釣りがないということで敬遠されがちなのだが、BNBの窓口では少額紙幣に両替も可能(その逆もOK)。

なので100Bsや50Bs紙幣が出てきても、10Bs×10枚とかに窓口で替えてもらえる。これはかなり助かるサービス、現地の銀行は両替ということでかなり使っていた。

スキミングや両替詐欺には気をつけて頂きたい。

⑮ デモやストライキに注意

ラパスに限らず、南米諸国ではデモやストライキに遭遇するケースが多い。

ラパス滞在時も7月16日通りをベネズエラ関連のデモを行っている人がいた。日本のようにただ単に歩くのではなく、酷い時は警察隊との衝突があったり、物を投げたりすることもあるので、興味本位で近づかないでもらいたい。

ストライキも日常的に行われている。道路封鎖とかあるので現地での情報には気をつけよう。ウユニに入るところで道路封鎖とかあるので、時間に余裕がないならば飛行機を使うのがベストであろう。

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◆おわりに

ラパスの治安は悪い。これはハッキリと言えることだ。

僕はラパスでは何も怖い体験などはしなかった。結果的に「意外と大丈夫じゃん」と思うかもしれないけど、それは被害とかなかった上、運がよかったから。

全く治安がよい町とは言えないので警戒しておくだけ違う。被害遭ってからでは遅いのだ。

またボリビア人だらけの町である。日本人だからと言って威張らないでもらいたい。ボリビアではアジア人はマイノリティの存在だ、立場は下である。正直ビジターなので、バカにされても仕方はないのだが、それは腹が立ってくるので悪口言われたら、皮肉を言ってあげると効果的かもしれない。

観光に力を入れるボリビア、どんどん変化していくだろう。

ラパスは何もないと思われるかもしれないが、意外と穴場はたくさんある。歩いてみるととても面白い場所だ。

この安全の手引きは完全ではないだろう、だけど参考にして貰えるとありがたい。自分の身は自分で守る、それが大切だ。無事に日本へ帰国して頂きたい。

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