ホンジュラスの首都・テグシガルパの街を歩きました。
1レンピラ=約5円
はじめに
「世界一治安が悪い国」とも呼ばれるホンジュラス。その首都がテグシガルパだ。
およそ1年前に書いた以下の記事。僕が今までで訪れた都市の中で、一番治安が悪いと呼んでいるぐらい雰囲気が良くない。
【旅】 個人的に感じる「世界で治安が悪い都市」ワースト10 – El Mundo
本家「治安が悪い都市」では第二の都市・サンペドロスーラの名前が挙がるのだが、この町には訪れていない。行こうと思わなかった。
しかし、テグシガルパは中米横断において、通過地点であったので立ち寄ることにしたのだ。
結論から言うと、治安は「行く場所」と「時間帯」による。
金持ちエリアに行けば問題ない、しかし貧しい場所に行けばかなり悪い。昼間は歩けても夜は歩けない、ということもある。これが現状だ。常に悪いわけではない、ということは頭に入れておいてもらいたい。
時と場合による。だからこそ、そういう情報を知っていれば、行動範囲も広がり楽しみ方も変わってくる。
ここでは日中テグシガルパの町を歩いた、写真を交えながら紹介していく。果たしてホンジュラスの首都とはどういうところなのか。
テグシガルパ散策
人口117万人。990メートルの高さに位置するテグシガルパ。訪れたのは12月だったので、肌寒かった。「常春の地」とも呼ばれている。
平日の朝8時。夜の静けさとは打って変わって、車のクラクションや人々の話声が外から聞こえる。
荷物を預かってもらい外へ。恰好は手ぶらだ。ポケットには裸のお札とコイン。
カメラはコンデジ。ベルトに巻いてあり外からだと分からないようにしている。手ぶらの状態で外を歩く。
ホンジュラスの旧市街。中心へ向かう道は1車線。路地も入り組んでおり、すり鉢状になっていることから、渋滞が慢性化している。そのため朝は当然のような有様。歩いたほうが早いレベル。
ビビりながら町を歩き始めたのだが、この段階では落ち着いていた。
普通のラテンアメリカにある町という感じ。さほど治安の悪さは感じない。
ここが「犯罪多いんだな」と思うのは、こういう絵を見た時。町中のあちこちにあるので、ときどきハッとさせられる。重い鉄格子。写真を見れば話は通じるはずだ。
とはいえ、人が出歩けるレベルの町。「治安が悪い」と言っても死ぬようなことではない。
中にはこんなに可愛らしい家もあるのだ。実にラテンアメリカらしい。少しボロいんだけど味がある家々。
路地裏。僕は日本人。アジア顔だ。なのでアジア系がまだ少ないホンジュラスでは目立つ存在。
しかし、何も人から声がかからないし、見られていない。つまりは、僕は「空気」ということ。それはチャイニーズが歩いている、みたいな目で見られているのだろう。
悲しくもあり嬉しくもあり。円滑な町歩きが進んでいく。
中心部へ行きサン・フランシスコ教会を眺める。やはり綺麗だ。
ここから中央公園、カテドラル方向へと足を進める。
アメリカ資本のファストフード店が多い。値段は日本より少し安いぐらい。
平均年収が10万円ぐらいの国なので、1食500円はかなり高いと思う。
歩いた当日の新聞の一面。金髪美女と写真を撮るオバマに、ミシェル夫人が嫉妬しているというもの。他国のゴシップが一面。
テグシガルパの街角。顔立ちは中米ぽい。エルサルやニカラグアに近い。
グアテマラほど先住民の血は濃くないけど、コスタリカほどスペイン系の血も濃くはない。真ん中ぐらいかと思った。南米とも違う顔立ち。結構独特だ。
共通しているのは女性の胸とお尻の大きさ、男性のポマードと靴か。
ファストフードや銀行の前には警備員が必ずいる。彼らがどれほど力になれるかは分からないけど、他の都市より警備員の数は圧倒的に多い。日本の自販機ぐらいの間隔。それだけ多い。
一応警察いるから安心、とは思っているけど、旅行者に何癖をつけてくる可能性もあるので注意はしていた。金出せば解決するので何とも言えないけど。
平日の朝からおじちゃんとかが外でのんびり立ち話。若造ものんびり。
「あ、失業率高いからかな」とその時は思っていた。色々なページを見ると「30%」とか書いてあったし。
けど、外務省のページを見ると「3.9%」と書いてあってビックリ。
ホンジュラスの国家統計が嘘ついているのか、「貧困層の失業率が30%」なのか。どの情報を信じればいいか分からないけども、とにかくラテンアメリカぽく朝から中心街でブラブラしている人が多くいた。
元祖みたいです。結構にぎわっていて少し興味もった。
個人的に町を歩いていて気になったのが、オフィスカジュアルの恰好をした女性が多かったこと。
調べてみると、首都圏では少しずつ女性の社会進出が伸びているようだ。中米諸国は「男尊女卑」の考え方が今なお根付いているので、女性は家庭に入ることが多い。しかし、このご時世。どんどんキャリアウーマンというのは都市部から生まれてきている。
このウーマンを支えるのが「ムチャチャ」と呼ばれるお手伝いさん。農村部など貧しいところから、出稼ぎで富裕層の家に住み込み働く。彼女らがいることで、富裕層の女性が外へ働きにいけるのだ。これがラテンアメリカで良くあるような社会縮図。
先日訪れたドミニカ共和国でも似たようなことが行われている。
まだまだ途上国ではあるけど、少しずつ文化が変わってきているようだ。まずは都市部からの変化。
中央広場。男だらけ。ここはメスティーソより少し黒人よりの肌の人が多い。朝から何をしているのだろうか。
スリとか警戒していたけど、そんな気配はあまりなかった。警備員多いことや朝だからかもしれない。
盆地なのでどこにいても丘や山が目に入る。そしてビルがさほど高くないので、空が少し近く感じる。
ラテンアメリカ諸国でよく見られる光景。靴磨き。おっさんたちが革靴を磨いてもらっている。身なり大事。
カテドラル。青空が広がっている。
テグシガルパのバスはマイクロバスかスクールバス。どちらかのタイプ。中心部へ向かうバスは基本中央公園が終点となるので、使いこなすことは簡単そうに見えた。
今回は全て徒歩で回ったので、使用していない。
タクシーは基本白タク。行燈などはついていない。模様もあまりない。
見分け方は番号が書いてあること。基本的には白の中古カローラ。
町中にはアメリカのお下げと思われる車がいっぱい。なので必然的に日本車だらけ。新車は韓国車。中古はトヨタかホンダ。
カローラ&カローラ、たまにシビックという町。新市街になると少し風景は変わる。
試しにホンジュラスの中古車サイトを見てみると、
ELIGETUCARRO.COM – AUTOS NUEVOS Y USADOS HONDURAS – HAY UNA OFERTA PARA TODOS
トヨタのカローラ10年モノだと、50~80万円ぐらいで購入できそう。
とはいえ平均年収10万円の国、車がどれだけ高価なもので大切なものなのか、ということが分かるだろう。命の次に大切なほど大事なものなのだ。
余談だが、中米諸国で「車」と言う時。通常ならスペイン語で車は「coche」なのだがここらでは「carro」と言う。
町を適当に歩いていたら、路上市場が広がっていた。
生活感があってホント楽しい。世界の市場見るのが好きだ。
かなりこじんまりしていたけど、面白かった。写真はさほど撮らず。この雰囲気は肌で感じないと分からない。どこか食べる場所を探したけど、屋台はなく。
ここは治安が悪い場所、ということを頭に入れておきます。
少し人通りが減ってきた。
少し安心したのが、サークルKが24時間営業ということ。つまりは夜に営業していても問題がないということの裏返しだと考える。治安悪いというのも言いすぎかな。
ちなみに訪れたのは12月半ば。クリスマス仕様。これは銀行のドライブATM。
新市街の大使館エリアへと入っていく。アベニーダ・ラ・パスとモラサン通りの間が大使館エリア。
近代的なビルも。走る車もオンボロカローラから新しい車へと変わってきた。
日本大使館の裏にある「ロス・カスターニョス」(Los Castaños)ショッピングセンター。駐車場には大きなクリスマスツリー。旧市街では見られなかった欧米資本のレストラン。
開店はしていたけど、さほど活気には欠けていたので退散。休日とか来ると面白いかもしれない。各国のSCを見ているけど、ここのSCも他の国と似ていた。上には映画館、アパレルとか。
朝は少し肌寒かったけど、太陽が出てくると少し汗ばんでくる。12月で990mの位置にあるとは言っても赤道が近いので、寒すぎではない。
モラサン通り。中心地へ向かう道路は混雑している。さすが新市街、SUVやピックアップトラックが多い。
モラサン通り歩いていたら屋台があった。数人の地元民が地べたに座って食べていて美味しいそうなので、値段を聞く。
これで40レンピラ。だいたい200円ぐらい。結構安いかも。僕の感覚では。
ソーセージ炒めたものとフリホーレス(豆)をペーストしたもの。そしてトルティーヤ。味は美味しかった。普通にトルティーヤと合うし、もっと食べてもよかったと思うほど。兄ちゃんにボッたくられなくて安心。普通の人多いから、かなり印象は変わりつつある。
再び中心地へ戻る。
どこかにイスラエルで見たことがある壁だ。
のんびりとした昼下がり。宿へと足を進める。
宿で新聞を覗く。一面は大統領選特集。オバマは裏面だったのかな。こう見るとメスティーソでもスペイン系の血が強い印象。
これで町歩きは終了した。
まとめ
写真だけ見ていると「ここ本当に治安悪いの?」と思うかもしれない。確かに僕が歩いているエリアではあまり治安が悪いとは思わなかった。それは意図的に、良いところを歩いたから。
僕が夜にバスターミナルに到着し、タクシーで町中を移動した際、本当にビビっていた。言葉で表すのが難しいのだが「何かがありそう」と感じる雰囲気。
そして昼間、旧市街から治安の悪いと言われる「コマヤグエラ地区」にあるバスターミナルに移動する時。
宿の人に「公共交通機関はどうかな?」と聞いたら、「絶対にやめなさい。今タクシーを呼ぶから」と電話してくれた。タクシードライバーと話した際も「ここは危ない。窓を開けないように」と言ってくれた。
地元の人が言うほど、なのでコマヤグエラ地区には近寄らないようにしたし、タクシーもバス会社の敷地内まで入ってくれた。写真は撮ってないけど、外から見ていると雰囲気はかなり悪い。だからこそ近づきたいとは思わなかったのだ。
「治安の悪い」と呼ばれるテグシガルパ。それはホントだ。ウソではない。他の中米諸国の町よりも何かが起こるリスクは高いと思える。観光地ではないので、旅行者が安易に近づく町ではない。
しかし、場所や時間帯を選んで、リスクを承知し、安全策を取れば身を守れる。また被害に遭うこともなくなるはず。これは運にもよるけど、現地の治安情報を把握していれば問題ない。
たぶんホンジュラスに訪れる日本人はホント少ないと思う。ましてやテグシガルパに行く人は殆どいないはずだ。普通は治安のよいカリブ海のリゾート地に行くはずだからだ。
とはいえ、もし今後テグシガルパに訪れる人がいれば、この記事を読んで少し空気や雰囲気を感じてもらいたい。写真だと伝わるのが限界があるので、一番早いのは現地に訪れることだと思う。
危ないエリア、時間帯をしっかり選んだ上で訪れてほしい。
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