【旅コラム】色褪せぬ旅の匂いと思い出。

旅コラムです。


あれから7年

そろそろ海外一人旅を始めた時から7年が経とうとしている。つい3,4年前のことだと思っていたけど、ここまで月日が経過したとは実感にない。
初めて行ったのが2010年の韓国、長期が2011年のトルコ&ヨーロッパだった。
中でも大学に入った最初の夏休みに催行した、トルコ&ヨーロッパは昨日のことように情景が出てくる。

初めてのバックパッカー

出発前夜のドキドキとワクワク。何回チェックしたか分からない荷物リスト。何が必要で何が不必要なのか全く分からなかったから、パンパンに荷物詰め込んでいたのが懐かしい。
当日。成田まで行く道でも、地球の歩き方を読み返し、イメージトレーニングしてたな。
2011年の夏はまだスマホを持っていなくて、ネットが繋がるのはパソコンだけだった。
だから下調べも気軽ではなくて、少し面倒だった。だから紙に残したり、メモ書きまくってとっさの時に判断ができるようにしていた。
往復はアエロフロートを使った。カウンターで並んでる時も、何もやましいことがないのにドキドキしてた。飛行機乗った時も、「英語通じるかな…」など今となってはかわいい悩みを抱えていた。
イスタンブールに着いてから、宿まで向かう道中。ラマダン中の夜だった。
だから道には人が溢れて、トラムもほぼ満員に近かった。6年経ってもトラムから眺めた景色は忘れないし、全てが初めて見る光景だから、何だかワクワクしている自分がいた。
今でも初めて行く国や土地は、ドキドキ&ワクワクしている自分がいる。空港に着いて、宿まで向かう瞬間。そして荷物を降ろして、街に繰り出す時。いくつになっても、ここの気持ちは変わらないだろうなって思う。
顔は平然としているけど、内心「大丈夫かな」「これ何だろう」「こんなのあるんだ」と思ったりして、目があちこちに向いている。
だから、イスタンブールに着いて、宿に荷物下ろした瞬間に少しホッとした自分がいた。
今は亡き「Tree of Life」という日本人宿に宿泊していた。初めて出会った旅人が、同じ大学の先輩で一緒に夕飯を食べに行ったけど、そこでの「景色」を忘れることはない。

旅の匂い

外の半テラス席に座ったけど、石畳を走る車の音や店から漂う香辛料の匂い、大声で話すトルコ人の電話…
日本で街を歩いている時、ふとその「景色」を思い出すのだ。「あ、これはイスタンブールの!」「この匂いはインドのバラナシで…」「香水が中東くさいな」などなど。
「現地現物」という言葉があるように、決して写真や話だけでは伝わらないことがある。
現地の空気は絶対に伝わることができない。それを感じることが、旅の魅力の一つなのかもしれない。
「匂い」は記憶に残りやすい。だから香辛料や体臭、香水など頭の中に刻まれていき、ふとした瞬間に思い出すのだ。
旅を多くすることでその匂いは蓄積されていく。すると東京でプチ世界旅行ができたりしちゃう。

旅の音

旅では普段の日本での生活よりも五感が働く。「音」の部分でも日常では聞こえることのない音が流れてくるので、耳に残りやすい。
イスタンブールの初めての朝。僕は朝5時頃に起きた、いや起こされた。
朝「うぉーーーーーん」とスピーカーから流れてくる音に「わお!」と目が覚めてしまった。
それはモスクから聞こえるアザーンであり、他の旅行者は慣れてるのか熟睡している。
今となってはアザーンが心地よく聞こえるのだが、この時は少しばかり「騒音」と思ってた。
すっかり目が覚めたので、朝焼けの中、イスタンブールの街を歩いた。
夜は人だらけだったのに、朝は殆ど歩いてなく、清掃の人のみ。車も少なく、トラムが音を立ててるだけだ。
静かなイスタンブール、宿からブルーモスクまでは近いので、そこまで行って見た。
ここも人がいない、鳥と自分だけ。ブルーモスクを一人占めしているような感覚だ。
上述にも記載した「匂い」。朝は昼や夜とは何か違う。「朝だな」という匂いなんだけど、言葉で美味く説明できない。
そして「音」も「朝だな」ていう音なんだけど、これも美味く説明できない。
30分ぐらい散歩して宿へ戻った。朝6時前、誰も起きてない。
当時はスマホも持ってなかったので、何をすることもできなかった。
宿のバルコニーに座り、青くなっていく空を見つつ、通りをボーッと眺めていた。
特に何かあったわけではないんだけど、日本でのふとした「音」でこの光景が頭の中に出てくることがある。
それだけイスタンブールでの経験は自分の好奇心を震わせていたのだろうなと感じた。

旅の「青年期」と「更年期」

沢木耕太郎の『深夜特急』の中で、旅の「青年期」と「更年期」という話題が出てきた。
人生と同じように旅も「年」を重ねていくと、見える景色も違ってくる。
イスタンブールでドキドキ&ワクワクしていた僕は「青年期」だった。それが旅をするごとに変化が生じてきた。
今までは新鮮に見えてた景色も「あー」と特に感動を覚えなくなってきた。これが「更年期」なのだろう。
勿論初めて行く土地では、「青年期」のように最初はなるが、慣れてくるに従い、日々の生活と変わらないような行動になってくる。
この「更年期」がずっと続くのだろうか。70歳ぐらいになったらまた「青年期」に戻るのかな。

旅はやめられない

社会人になっても旅は止められない。世界一周した人とか、日本に帰ってきてからそれっきり旅に出てないところを見ると「なんでなんだろう」と感じてしまう。
まだまだ知りたい場所や見たい景色があるし、その土地の空気を肌で感じたい。デジタルな時代になっても、現場には勝てない。
航空券買う→現地を調べる→ワクワクする→少し倦怠期に入る→1ヶ月前になると待ち遠しくなる→空港行くまで超ハッピー→現地到着してドキドキな気分→荷物を置いて街を歩いて、アドレナリン全開。これが面白いのだ。
多分一生旅はやめられないだろうな。全部の国行こうが、また再訪したい場所はあるので、死ぬまでし続けると思う。どんな旅でも新たな発見はあるのだ。
さあ次の目的地は決まっている。今からワクワクとドキドキが止まらない。

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6 件のコメント

  • 旅に出る期待感の薄れは私は未だありません。ただ、旅先が2008年以降、東南、東、中央アジアに集中してそこから抜け切れていません。ただ、タイ、インドネシアは未踏で理由は中国から陸路越えに執着した結果です。以前は台湾から航路経由で大陸へもしましたが、ロ-カルな交通機関で国境越えは非常に興味深いものもあって面白いです。最近はミャンマ-の陸路で北上し、紛争地帯のギリギリ入境できるラインを東西を目指して旅行しています。それも今年の9月の渡航で終わりで、新たなテ-マで新たな地を目指す予定です。中国西北域やミャンマ-を含む隣接国は驚く程に非英語圏です。今は多少の中国語を解するようになってからは、コミニュケ-ション手段に幅が出来て一人で行けるようになりましたが、言葉の通じ国にいる妙な緊張感が非日常的で刺激があります。旅に求めるものは人それぞれですが、私は日常から逃避だと思っています。その国の色、音、香りとその違いの全てが楽しみで旅をします。国際結婚をして以来、中国は外国とは言い難く日常の一部になってからは、全省制覇の目標をあっさり取り下げました。刺激がかなりなくなったので…

  • おはようございます。
    恐らく同年代の旅好き社会人として、いつも楽しく拝見させていただいています。また、次の旅行先の参考にさせていただいてます。
    一点質問なのですが、お使いのカメラの機種はどちらでしょうか?
    非常に魅力的な写真が多いので是非教えていただきたいです。
    よろしくお願いいたします。

  • >toripapaさん
    前回に引き続き、コメントありがとうございます。
    旅先が固まる、何だか気持ちが分かる気がします。
    国境越えはドキドキとワクワクが僕はありますね。仰るように公共交通機関で、辺鄙な場所での国境越えは風情があるというか、良いものですよね。
    僕は1年の中でも「新規開拓」という形で、未踏の地にいくつか訪れるようにしています。
    しかし、年2回ぐらいは知ってる場所に行き、「何か新しいものはないか」とその中でさらに新規開拓をしています。
    前者はドキドキがありますが、後者は落ち着いた中で新しいものを見つけられるので、どことなく安心感というものがあります。
    旅、人それぞれありますけど、どの人も楽しむことができたり、思い出に残ればどのようなスタイルでもいいなと感じています。

  • >itoさん
    おはようございます。コメントありがとうございます。
    恐らく20代半ばぐらいかと考えますが、参考にしていただけてるのなら幸いです。
    カメラは2種類紹介いたします。
    前者は数年前まで使っていたもの、後者は最近使っている機種です。後者は2016年1月頃の旅行から使用しています。
    ① PENTAX “Q10”
    http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/q10/
    ② CANON “PowerShot SX610 HS”
    http://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/sx610hs/
    前者は忘れてしまいましたが、後者は1万5,000円ぐらいでビックカメラで購入した記憶があります。
    どうぞ宜しくお願いいたします。

  • >itoさん
    確認していただき、ありがとうございます!
    マルタが終わってからになりますが、コーカサス編も引き続き読んでいただきたく思います。

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