【メルボルン】ベトナム人タウン「フッツクレイ」の街がとても面白かった。

2019年4月 1AUD=約78円

メルボルンにはいくつかベトナム人街がある。
代表的なのは「スプリングヴェイル(Springvale)/フッツクレイ(Footscray)/リッチモンド(Richmond)」であろう。

ベトナム系が多いエリアは世界で見てもさほど多いわけではない。
有名なのはロス郊外のオレンジ郡の「リトル・サイゴン」である。

彼らがオーストラリアへ渡ってきたのは、ベトナム戦争や中越戦争などで影響を受けた人たちだ。
年代としては1970-80年代となるので、他のアジア系のエスニックグループよりも古い。そのため地元に根付いた店などが多いのが特徴として見られる。
また中越戦争とあるように、中国とベトナムの関係が悪化したことにより、ベトナムにいる中国系住民が差別や迫害などを恐れて移住してきたこともあるので、中国系ベトナム人のコミュニティも多いのだ。細かな見分けはできないけども、ベトナム人街では漢字表記も多い。

今回紹介するのは、メルボルンのフッツクレイ地区。
このフッツクレイはシティ(CBD)からも近く、こじんまりとしたベトナム人街。繁華街は大きさも広くはないが、一番手っ取り早く空気を味わうのは丁度良い場所でもある。
治安はそれほど良いとは言われないが、昼間の繁華街を散策するだけなら問題はない。

このフッツクレイは2世、3世が多く、第一言語が英語のベトナム系オーストラリア人もいる。
とはいえ、昼間を歩けばベトナム人のお婆ちゃんが多いんだけど、このベトナム人街について写真を交えながら雰囲気を紹介したい。

以前CBDのベトナム料理店でブンチャーを食べてきた記事。

【メルボルン】ベトナム料理:「Pho Bo Ga Mekong Vietnam」のブンチャーが美味しい。

2019年7月30日

こちらは北米最大のベトナム人エリアに訪れた記事(2013年)。

【アメリカ】 世界最大の「ベトナム人街」に行ってみた

2015年1月5日

フッツクレイへのアクセス

フッツクレイはシティの真横にある。
フリンダースストリート駅からなら約15分程。Sunbury / Werribee線に乗ればOK。サザンクロス駅からも同じ流れ。
トラムもあるけど違うエリアからになるので、あまり現実的ではないかな。
僕が滞在していた「Hub Hostel」(エリアはノースメルボルン)からだと402番のバスで1本だったのでそれで移動した。
CBD滞在や駅近ならメトロ、他ならバスやトラムを使うのが現実的かもしれない。

フッツクレイの街を歩く

早速フッツクレイの街を歩く。フッツクレイの駅とバス停は隣接している。
そして駅前にフッツクレイマーケット(Footscray Market)がある。
平日の午前の様子を紹介する。

この建物の雰囲気からどことなくアジアの様子が伺える。

早速入るとフードコートみたいなところに。この瞬間に「きた」と感じた。
客の95%はアジア系。全てがベトナム系とは言い切れないけども、日本人顔でもアウェーを感じさせないこの空気。

オールベトナム語の張り紙。こういう街では張り紙や広告の言語などで、どの対象かが分かるし、どの系統の人たちが多いのか大まかに考えられるので、とても重宝している。面白いんだよな。意味は全部わからないけど。

続いて精肉・鮮魚コーナー。このエリアでは中国系ベトナム人の多さが目立った。
英語、中国語(広東語かな)、ベトナム語という表記。店も広東系ではないかと思う。

アジアなんだけど、足元を見てもらうと分かるように清潔には保たれている。衛星面ではセーフか。
こういう感じで地元の人たちが店員さんに注文する姿、ショッピングカートを引く姿を見ると「良い光景だな」と思う。平和な世界。ショッピングカートというのが、ベトナム系の多さを物語る上でポイントは高い。他の系統だとあまりないので。


なのでショッピングカートを売るお店も。

服屋さんも面白い。サイズもそうだけど、この服のセンスが明らかに対象者が分かる。
でも日本の商店街にある昔からのブティックも同じような感じか。

マーケットは他にも野菜・果物コーナーもあるけど、割愛させていただく。単に良い写真がなかったからだ。
マーケットの外の雰囲気を紹介したい。ちなみにマーケット日月が営業していないので、気を付けて。

街並みとかはオーストラリアのどこにでもありそうな雰囲気なんだけど、広告や看板がベトナム語になる。

あまりベトナム系の移民は所得者層が低いという話を聞いたことがある。
元々難民として移り住んできており、戦時中で高度な教育も受けられなかったことに伴い、その影響が今にも響いているとか。
なので都市部でサービス業として生計を立てている人も多いので、飲食店などの従事者数が大方を占めていたり。

中国系ベトナム人のお店も多いので、ベトナム料理というよりかは中国料理の店もある。
新しく入ってきた中国系の店かどうかは細かく分からないけど、でも広東系の店が多い印象。だから古いのかな。
これも「港式」と記載あるし、点心の写真あるし、ロースト肉を吊るすのも香港ぽいし。

街にあるオブジェ。これ何なのかなと思っていて今も答えは知らないけど、たぶん蓮の花なのかなって。
ベトナムの国花。ベトナム航空の機体に描かれているのと似ているから、蓮と連想した。

化粧品の広告。オールベトナム語。こういうの良いよね。

この記事が公開されるころには終了しているけど、僕が訪れた時は未来のコンサート。
ベトナム系のアーティストやミスベトナム?が出演。移民が多いエリアだとこういうコンサートの広告が多い印象がある。
中国系、インド系、アメリカだとメキシコ系やラテンアメリカ諸国など。思えばオレンジ郡のリトルサイゴンにも同じようなのがあったな。。。


街としての歴史も古いので、基盤も出来上がっている。旅行代理店や携帯会社、送金会社など。送金はどこにでもあるウエスタンユニオンだけど。

この古さが良い。歴史があるエリアだと「出来上がっている」感がある。

オールベトナム語。店に入ってもメニュー読めないことに陥る。
とりあえず「Pho」という文字があれば安心だし、「Ga」が鶏肉になるので、外れはない。

Gong Chaもここでは並ばずに買うことができる。というかメルボルンの至るところに店があるので特別感はゼロ。

マッサージ。他だとタイ系の店も多いけど、ここではベトナム系&中国系も多いので、看板などで判断するしかない。

ローカルなスーパーもある。こういう商店などは中国系ベトナム人が多い印象を受ける。商売の基礎やルートなど色々あるんだろう。

人気のお店でブンチャーを食す

ここに来たからにはベトナム料理を食しておきたい。
Zomato( https://www.zomato.com/melbourne )をオーストラリアでは参考にしていた。

Zomatoを見つつ、気になった店はGoogleの評価も見ていたんだけど、この訪れた店は評価がかなり高かったので。
その様子は以下の記事に書いた。

【メルボルン】ベトナム人街のフッツクレイでブンチャーを食べてきた(Pho Hung Vuong Saigon Restaurant)。

2019年9月4日

微かに香るエチオピアの匂い

フッツクレイの街を軽く歩いていて、少し気になったのはエチオピア系の店が少しあるということだ。
このベトナム系一色の街では異色の存在。何故あるのかまでは調べられていないんだけど、軽く紹介したい。


これは店の名前からするとエチオピアよりかは南スーダンとなるけども。
料理の写真ではインジュラもあるし、西アフリカでよく食べられる魚を揚げたものなど。アジアからアフリカまで幅広く。

このゲエズ文字(アムハラ語)を見ると確信に思えてくる。
エチオピア以外にもエリトリアでも使われている。勿論エリトリアの可能性もあるけども、エリトリアの国の状況を見ると、国外で店を開いて生計を成せるとは思えないし、長続きはしなさそう。
基本的には自国民は国外に出れないし、国外に出た場合も長くは滞在できないし、何かあると家族に影響が出ちゃうので。
なのでエチオピアが99%の線で濃厚じゃないかなと。

ウィッグの店が多いのもサブサハラ以南のアフリカ系の特徴でもある。レバノン・ベイルートのエチオピア系が多い場所でも見られた。

それに付随すると、ヘアサロンが多いのも特徴的。髪は美しさに繋がるので、アフリカ系が多い場所では特に多い。
営業しているかは別として、一つの見極めポイントにもなるのが美容室の存在。アフリカ系のサービス業のお店は結構女性向けの店舗が多いんだよね。

完璧に分かりやすいお店。ベトナムもだけど、エチオピアもコーヒーをよく飲む。
コーヒーベルトに位置する両国。そう考えると共通点は少しはあるのか。

ここでもアムハラ語。

メニューを見ると「Wot」の文字が。エチオピア料理の一つでシチューみたいなもの。
少し辛いんだけど、インジュラやパンなどと一緒に食べる。

また写真の上から2つ目。ユッケみたいなのはクットフォー(Kitfo)という料理。
生肉のたたき、まさにユッケみたいだ。エチオピアでは生肉を食べる習慣がある。
これは生肉の火加減を自分好みにできて、ピリ辛ソースと絡めて、これもインジュラやパンと一緒に食べる。
現地では市場の肉屋やレストランに行けば提供している。だいたい30~50B(約150~250円)の間で提供されている。

肉の鮮度にもよると思うけど、ここは市場で新鮮な肉を仕入れていると信じたい。
僕がエチオピアで大変なことになったので、あまり良い思い出はない。

まとめ

ベトナム人エリアのフッツクレイを歩いた。
メルボルンにはいくつかベトナム人コミュニティはあるけど、一番近いのがフッツクレイとなる。
ここでも十分雰囲気は味わえるので、とても楽しいはずだ。

微かにエチオピアの香りも漂うので、その姿も見てみてほしい。

地図:

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