旅行に持っていくカメラ。それは旅行者が一度は悩むことのはずだ。僕も数多く旅行に行かせてもらったが、自分の中である程度のスタイルを確立している。
近年はスマートフォンでも綺麗な写真が撮れるようになり、iphoneだけ、androidだけ、という方も多いはずだ。とはいえ、スマホで事が足りるならカメラの存在は要らなくなる。
今回は僕が旅に持っていくカメラを紹介したい。今までコメントや意見などで「知りたい」という声があったのだが、なかなか記事にできないでいた。遅ればせながらではあるが、参考にしていただきたいと思う。
カメラごとのメリットとデメリット
ここではカメラごとのメリットとデメリットを紹介したい。
「うーん、どれにしよう」と思っている人はこのメリットとデメリットを比較しながら、決めればいいと思う。
一眼レフ
「旅行に持っていくカメラ=一眼レフ」というイメージの方も多いはずだ。
しかし、現実に一眼レフを持っていく人はそこまで多くはない。少ないからこそ、一眼レフを使っている人、その人が撮った写真が印象に残っており、そのイメージが先行している。
・一味凝った写真を撮れる
・盗難に遭う可能性が高い
・操作に慣れるまで時間がかかる
・写真に妥協をしたくない人
一眼レフを持つことに憧れを抱く人もいるだろう。
旅先で出会うと「いいな」と思うこともあるが、彼らから口々に「重い・・・」という言葉を聞く。
軽くても約700g、重いと1.5kgする。だいたい500mlのペットボトルを3本ぐらい持っているのと変わらない。
短い旅行、一場面だけならいいだろう。しかし、それをずっと持ち歩くことができますか?
僕はこの「持ち歩く」ということを考えて、一眼レフを敬遠した。冬の旅行や2泊3日程度なら我慢できるだろうが、暑い中持ちたくはないし、何より「盗難」というリスクと隣り合わせだ。
韓国や台湾などの東アジア、欧州の一部など治安が良いエリアは問題ないだろうが、アフリカ大陸や中南米はリスクと隣り合わせだ。
「現地人と良い写真を撮る」という目標などがあれば、それは忘れてもらいたい。良い写真を撮れる人は、一眼ではなくても撮ることができる。勿論一眼からキッカケになることもあるけど、結局カメラを盗まれてしまえば、意味がなくなってしまう。
一眼はどうしても大きいので目立ってしまう。特に顔色が違うアジア人が撮影していれば、尚更目立つ。一眼は高く売れる、富裕層からの人気も高い商品だ。持っていくからには、ある程度の覚悟を決めてほしい。
ただ一眼レフにしか出せない写真の「味」であったり、写真の「構成」というものもある。
カメラに凝りたい人は一眼を選択し、素敵な写真を撮影してもらいたい。
もし「どうしようかな・・・」と悩んでいる人、「世界一周するけど、荷物がな・・・」と思う人は、後述のミラーレス一眼やコンデジにすることを推奨したい。
忘れてほしくないのが、「一眼レフで撮る=良い写真」が撮影できるということではないこと。ミラーレスやコンデジでも素敵な写真を撮る人はいる。大事なのは構図ということだ。
なので最初は下記のミラーレスやコンデジで経験を積み、その後一眼にステップアップしていくのが、確実な道だと僕は考える。
ミラーレス一眼
CMでも多く見る機会が増え、家電量販店のカメラコーナーでも広く宣伝がされているミラーレス一眼。
簡単に言うと、コンデジと一眼の間の立ち位置。一眼までの品質とはいかないが、下記のメリットで書くように、コンパクトで凝った写真を撮ることができるのだ。
・一眼レフに負けないレベルで凝った写真が撮れる
・交換レンズなどアクセサリーがまだ少ない
・気軽に街歩きなどで写真を撮りたい人
・自身が「写真映え」したい人
ミラーレス一眼を持つ人は、何となく「かわいい」という印象を持たれる。
特に女性が持つと、自身も写真映えをするので、写真を撮るのが楽しくなるはずだ。
僕は世界一周の時、メインのカメラをミラーレス一眼にしていた(詳細は後述)。
一眼レフは重過ぎるので却下、とはいえ多くの地域で写真を撮るので、コンデジだと物足りない。
ということでミラーレス一眼にしたのだ。これは家電量販店で店員さんと話し合い決めた結果だ。
一眼を持った後にミラーレスを持つと分かるけど、重さの違いにビックリするはずだ。
だいたいミラーレスは300g前後、500mlのペットボトルより軽い。街歩きには適したカメラと言える。
またミラーレスは構えた形ではなく、ラフな状態で写真が撮れるので、一眼よりも「自然」な景色が撮影できる。この部分もメリットと言えるだろう。
ただ電池の消費量が早い。コンデジでは1回の充電で3日保てたものが、ミラーレスだと1日で残量が少ないこともある。
特に冬場の減りの早さには驚きを隠せなかった。だいたい半日使っていれば、2/3にはなっている。
これはどうしようもできないので、宿に帰った際はまずカメラを充電していた。ミラーレスを使う弱点とも言える。
とはいえ、充電すれば済む話だ。気軽な写真を撮ることを考えると、ミラーレスは最適だ。近年はプロのカメラマンさんもミラーレスを使っていると言われている。
コンパクトデジタルカメラ
略して「コンデジ」。「デジカメ」とよく言われるのは、このコンデジを指すことが多い。
最近ではミラーレスから原点回帰のコンデジを使用することがかなり増えた。ここでもメリットとデメリットを紹介したい。
・価格が安い
・風景や街並みなどをメインで撮影する人
コンデジはとりあえず安くて軽い。ここに尽きる。だいたい300g以下、20,000円以下で売られているので、気軽に買えて、気軽に持ち運びができる。
僕は盗難などのリスク、そして風景や街並みを撮るだけ、ということを踏まえて、壊れても&失くしても大きな影響がないコンデジを使っているのだ。
勿論凝った写真は撮れなくなるし、最低限の内容で収まる。だけど、旅行の記録として残す、ブログ用として撮影するということであるなら、コンデジで事足りるのではないだろうか。
最近のコンデジは以前と比べて画質も良くなり、写真の内容によっては一眼と見分けがつかないこともある。
コンデジだと全体的に電池の消耗の減りも少ないので、一度充電してしまえば、2泊3日とかだと一度も追加で充電せずとも旅行を終えることが可能だ。
僕がオススメする旅カメラ2選
1.PENTAX「Qシリーズ」
昔向井理がCMをしていたPENTAXの「Q10」。2012年頃だったけど、「こんなカメラがあるんだ」と思っていた。
そしてそのカメラを僕が持つとは考えもしなかったことだ。
PENTAXのQシリーズ、他メーカーと比べると影が薄いように思えるが、何よりもコンパクトさ。これに尽きる。
ヨドバシカメラで店員さんとお話をした時に、「街歩きで写真を撮るならQ10」が一番(2013年春)」と言われた記憶が今でも残っている。
ミラーレス一眼と一言で言うても、メーカーごとにカメラの特徴が違うとのことだ。
その中でもQシリーズは、動く被写体の撮影には向いていないけど、風景や建物などの動かない被写体には適していると。
「旅で持ち歩くならQ10がいいでしょうね」と言われたことで、購入を決意した。
少しブランドとしては古いかもしれないけど、性能としては今と遜色がないだろうし、手軽さということであるならば、Qシリーズを購入するのは得策と考えよう。
Q10で撮影した写真をいくつか。
↑エチオピアにて。朝の農村。ワイルドな男性が被写体となっていただけた。(2013年5月撮影)
↑夜のNYタイムズ・スクエア。車だけ焦点に当てて、背景をぼかしてみる。夜でも鮮度が高い写真が撮れる。(2013年10月)
↑イースター島で眺める朝日。モアイが影となり幻想的な雰囲気であった。(2014年1月)
↑ウユニ塩湖。少しパノラマにして。やっぱ素敵な場所だった。この場所でカメラは妥協できないと思う。(2014年2月)
2.Cannon「PowerShot SX610 HS」
ここ最近ではずっとこのデジカメを使用している。
Q10が世界一周で使い倒し、その後も多くの旅行で使用していたが、若干塗装も落ちてきて代替機が必要となっていた。
そこで再び家電量販店で足を運び、色々カメラを吟味した結果、「コンデジがいいのではないか」という結論に至ったのだ。
このカメラなら20,000円以下で購入ができ、何よりも軽い、そして「彩度モード」が掲載されている。僕は軽さもそうだけど、この「彩度モード」が何よりも欲しかったのだ。
他のデジカメには掲載されていないことが多い。だけど、Cannonのこのシリーズには付いており、写真を撮る時に印象がかなり変わるのだ。
例えば、上の2枚。上が普通に撮った写真、下が彩度モードで撮った写真だ。全く異なるだろう。空の色が全然違うはずだ。
一つのモードでこれだけ印象が変わるのである。風景や建物を撮るだけならば、これで事足りてしまうと感じるほど。
ただコンデジはコンデジなりの弱点があり、動く被写体に弱いこと、夜や暗い場所での写真に不向きなことだ。
太陽が出ている間はべら棒に強い、だけど夜や暗い場所に行くと、ブレたり感度よく撮影ができなかったりしてしまう。
なのでそこはiPhoneで補っている。夜景モードもあるのだけれど、簡単ではないなと思ったり。そこは目を瞑りたい。
このカメラで撮影した写真も一部紹介したい。
↑タイのラン島。青く輝く海が美しい。彩度高めに撮影すると海もエメラルドグリーンに。(2016年1月)
↑ラトビア・リガの旧市街。夜が上手く撮れない言うても、このような街並みは問題なく撮影ができる。(2016年2月)
↑セネガル・ゴレ島。中南米やアフリカだと色が映える場所が多い。こういう時は彩度が高いカメラが大活躍。(2016年3月)
一緒に揃えたいカメラグッズ2選
1. カメラケース
カメラを持つにあたり、カメラケースは是非持っておきたい。
さすがに裸でカメラを持つ人は少ないはず。カメラを守るため、カメラを綺麗に保つために必要だ。
特に空港での保安検査で雑な扱いをされたりする、インドやアフリカなどの埃ぽいところに行く時も必須だ、カバンに入れる時もパソコンや他の道具とぶつかると困る。
ケースもピンキリ、一眼やコンデジなどでも違ってくるので、そこは用途にあった物を購入したい。
ミラーレスは実はタオルでくるんでいるだけで、僕はケースは用意していなかった。アフリカや寒いところなど、一年間よく耐えたと思う。性能の良さは私が保障したい。
コンデジに関してはカバーを使っている。僕が使っているのは、ETSUMI(エツミ)のカメラポーチだ。
デジカメはちょうどよく収まるし、何よりベルトに装着できるのがありがたい。男性的な目線になるが、夏ならシャツを着ればカメラも隠れるし、冬ならダウンジャケットに隠れる。カメラを取り出しやすい上、歩いていてもカメラの存在が気にならないので、重宝している。
そこまで値も貼らないので、最悪汚れても代替が効くし、5年以上使っているけど問題は発生していない。まだまだ現役だ。
2. SDカード
カメラを使うにはSDカードは必ず必要となる。もし家電量販店で買おうとすると、「あれ、意外と高いな・・・」と思うはず。だけど写真は旅行の中でもかなら大事なポイント、SDカードをケチりたくはない。それなりのメーカー製品を買うのが望ましいと考える。
Amazonや楽天市場だと、家電量販店より安く買える。SDカードは実物を見なくても良い製品なので、そこは恵まれている。
僕はSanDiskのSDカード、64GBと32GBの2枚持ちだ。写真をかなり撮るので、奮発して64GBを購入した。そして予備で32GBを持つようにしている
そこまで写真を撮らない、短期ばかりの人なら16GBを2枚持つだけでも充分なはず。逆に長期で行く人、かなりの枚数を使う人は容量が大きいものを持っていると、枚数が気にならない。
毎日パソコンなどにバックアップを撮り、データ内を消去すれば8GBとかでも足りるのだろうけど、何が起こるか分からないので、僕は旅が終わるまではパソコンとSDカードにそれぞれ保持するようにしている。
このSanDiskのカードは上記で紹介した2つのカメラにどちらでも対応となっている。他のSDカードもそうだろうけど、今のところ4年近くで不具合は起きていない。
必ずしも「高いもの=良い」という方程式は完成しないけど、このSDカードにおいてはある程度確立されているものと考える。思い出はケチってほしくはない。
まとめ
ここまで旅で使いたいカメラを紹介した。結局は「自分が使いやすいカメラ」が一番だ。そして「良いカメラ=良い写真が撮れる」というわけではないこと。構図などが滅茶苦茶だと、一眼レフでも「え、なにこれ」と思ってしまう。
色々なカメラを吟味して、自分なりのベストカメラをチョイスしてもらいたい。
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