【レバノン】ベイルートの移民街「ドーラ」(Dora)を散策する。

2018年10月 1USD=1,500ポンド=約113円

ベイルートの街を散策して驚いたことは「移民」の多さだ。世界各地にレバノン移民が散らばっているのは有名なお話。

ヨーロッパ限らず、西アフリカやブラジルなどでも見かけたし、ビジネスで稼いでいることも知られている。なので、僕がレバノンに来る前は、レバノンに移民が来ることなど想定もしていなかった。

レバノンに来たから分かった状況。移民街と共に、レバノンへの移民について少し書いておきたい。

レバノンへの移民

中東諸国に世界各地から出稼ぎで多くの人がやって来ている。ドバイやドーハなどの湾岸諸国はその筆頭だ。

なんだけど、僕の中ではヨルダンやエジプトに行った時は、ほぼ現地人で移民のイメージが全くなかった。なのでシリアに近いレバノンにも移民が来ることなど、全く想定をしていなかったのである。

シリアからの難民、移民は年々増加している。だけど、レバノン人とシリア人の区別は僕には分からない。ベイルートを歩いていて目につくのは主に3タイプ。「フィリピン系」「南アジア系」「エチオピア系」だ。

南アジア系はバングラ、スリランカ、インド(南かな)のまとめた形。だいたいがバングラなんだろうけど。

なので、湾岸諸国と似たような構成になっている。湾岸諸国は移民で塗り固められた土地のようなものなので、街中を歩いていても違和感はないんだけど、ベイルートはレバノン人の中に混じっているから、どうしても目に付いてしまう。

フィリピン人とエチオピア人は殆どが女性。フィリピン人は若い人からおばちゃんまで、エチオピア人は若い女性が多い。彼女らの大半はメイドとして従事している。
反対に南アジア系は男性が多い。女性の姿も見かけるけどね。彼らは工事現場や清掃業などのブルーカラー。肉体労働が多い。よく街中で目にしやすい。
路線バスに乗ってるとよく見かけるし、お休みとなる土日になると団体で動くから尚更。母数で言うと、フィリピン系が多いのかな。

顔を見て「チャイニーズ」より前に「フィリピーノ?」と聞かれることもあった。昔から居るのだろう。その割には、フィリピン料理屋さんとかはないから、出稼ぎがメインで、「移民」という表現は正しくないのかもしれない。

日曜は特にフィリピン人が街中に多くなる。レバノン人よりフィリピン人の方が見かけるぐらい。路線バスもアラビア語よりタガログ語が聞こえてくる。男も稀にいるけど、フィリピン人おばちゃんが多くて、マニラにいるかのような気持ちになる。たいていは買い物して、ファストフード食べて、お話している。香港の日曜をイメージすると分かりやすい。ジョリビー出せばいいのに。

エチオピア人は同様な感じだけど、若い人多くてお金をあまり使わないのか(又は給料が高くないからか)、そんなに固まったりしていない。これから紹介するドーラに多いけど、ハムラなどのベイルート中心部にも居て、フィリピーナ同様、ベイルートでよく見かける。

また、エチオピア人女性は細身の人が多くて、ポテッとした女性はエチオピアではなく西アフリカかな。レバノン人が多いコートジボワールやナイジェリアとかだと思う。

南アジア系はスリランカ・バングラが大半に見えたけど、どうなんだろう。女性も顔立ちはバングラだけど、どうなんだろう。女性も多いけど、子連れはあまり見なかったから夫婦で来てる?それとも全く関係なかったり。

レバノンへの移民について、英語で探してみたんだけど、自分の検索方法が悪いのか、あまり良い記事が見つけられなかった。もし参考記事があれば教えていただけると幸いです。

ベイルートの移民街「ドーラ」

ベイルートで一番移民が多いのではないかと思うのが「ドーラ」地区だ。ここは僕も来るまでは知らなかった場所だし、移民エリアとも思ってもなかった。

ここの存在を知ったのが、ドーラにあるショッピングモール「City Mall」へ行く時。2番バスがドーラ地区を通過するんだけど、移民の多さや移民向けの店が多いことに驚いたのだ。レバノン人が見つけられない程、一体どこの国か分からなくなるレベルであった。

別日、この日は日曜だったけど、ハリッサから戻るバスがドーラ終点だったので、ドーラ地区を散策してみた。このドーラ地区はバスの発着ポイントでもあるので、覚えておいて損はない。とりあえず「ドーラ?」と聞けば、レバノン市内へは帰ってこれる。陸橋下からはハムラへ向かう2番バスも発着している。

↓ 郊外へ向かう2番バスの乗降者場。ドーラで少しの間停車する。通り沿い。

↓ ハムラへ向かう2番バスの乗降者場。ここも少しの間停車する。高架下。


話を戻すと、ドーラ地区を歩いているのが目立つのが「フィリピン系」「エチオピア系」「南インド系」だ。特にフィリピンとエチオピアの女性の割合が多いかな。男性はあまり見かけない。メイドで来ている人が多いから、休みの日曜日はお出かけする。また個人で出歩くことはなくて、たいてい団体で固まっているから、余計に。なので、ドーラ地区を散策するならば、日曜日に来ると賑わいをより見せてくれる。


こういう混在したコミュニティは珍しいし、共存できているのかなと思う。
少し写真を交えながら、雰囲気を紹介していきたい。

わかりやすいお店。
木で隠れているけど「スリランカ」「フィリピン」「インド」「バングラデシュ」「エチオピア」と記載がある。これらの国々が多いことを示す。
タガログ語の看板。フィリピン人向けのお店だ。携帯ショップだったかな。
こちらはタミル語の看板。南インド向けのお店だ。写真下にもそちらの人が写っている。
1ドルショップ。あまりレバノン人が多いエリアでは見かけない店。
広告。アムハラ語でエチオピア人向けということが分かる。
フィリピン人のファッション。おめかししている。
ここがイスラム教の国とは思えない大胆な格好。
変に宗教戦争をしていないから、彼女たちが共存できているのかな。
マニラを歩いている感覚。
何の看板かも分からないぐらい。
とりあえず上は南インド系、下はエチオピア人向けということが分かる。
パーティーの広告。これもエチオピア。さすがエチぽいな。
普段街中では見かけない野菜たち。フィリピン人向けの商店で。
閉まっていたけど、エチオピア人向けのレストラン。
インジュラはここでも食べられそう。
エチオピア人向けの服屋さん。民族衣装が目立つ。
送金サービスの店前。これでどこの国からの移民・出稼ぎが居るのかがよく分かる。
こう見るとネパールやエジプトからも居るようだ。

まとめ

簡単ではあるが、ベイルートの移民について紹介した。
移民というよりかは、出稼ぎ労働者がほぼだと思う。
ただレバノン人「へ」来る人がここまで多いとは知らなかったし、現地に訪れないと分からないことだったと思う。

興味がある人はドーラ地区に訪れてみてほしい。

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