ブエノスアイレスで現役の日本の地下鉄をご紹介します。
1ALP=約10円(当時)
◆はじめに
日本の真裏。南米に位置するアルゼンチン共和国。
日本人には「メッシ」や「牛肉」などのイメージがあるかもしれない。
人口289万人を擁する首都・ブエノスアイレス。「南米のパリ」と呼ばれる町には、6本の地下鉄が走っている。
そこで活躍しているのが、「メイド・イン・ジャパン」だ。日本とアルゼンチンの関係―。私は日本人として誇りに思う瞬間であった。
◆スブテ
ブエノスアイレスには6本の地下鉄が走っており、3ペソと激安だ。コレクティーボ(市バス)と共に市民の足として活躍している。
地下鉄の歴史は古く、1913年から運行。100年以上の歴史を誇り、東京メトロよりも長い。実は昔から頑張っているのだ。これもブエノスアイレスが過去に発展していたことがあげられる。
スペイン語諸国では地下鉄のことを「メトロ」と言うのだが、ブエノスの地下鉄は「スブテ」と呼ばれる。他国ではこのように言うことはない。
調べたところ、「SUBTERRANEO」(地下)というスペイン語からきているようだ。
特徴は特にないのだが、全体的に暗めの雰囲気。海外に慣れていない人が乗ると少しビビるかも。あと「レトロ」。個人的には古臭くて良いと感じた。
だけど僕自身は、移動はコレクティーボがかなり便利だったので、あまり地下鉄に乗らなかったのが正直だ。時間が読めるメリットはあるけど、時刻表というものが存在しないので、いつ来るかは分からない。
料金形態は現金 or SUBEと呼ばれるカードのみ。基本はSUBE支払い。ブエノスに訪れたら購入しておくのがいいだろう。東京のSuicaみたいなもの。
簡単にスブテを紹介したので、次はブエノスで活躍する日本の地下鉄を紹介する。
◆日本の地下鉄
ブエノスのスブテには2つの「メイド・イン・ジャパン」が活躍している。
1つがLinea Bに元・丸ノ内線の車両、Linea Cに元・東山線の車両がそれぞれ在籍している。
こちらLineaBの車内。ここだけ切り取れば、少し外国人が多い東京メトロの車内と思えるぐらい日本の雰囲気が残っている。
日本で30年以上活躍した車両が、第二の人生としてブエノスで20年以上歩んでいる。日本の技術力、そして耐久性という部分がいかに優れているかということが感じられる。
LineaBのカラーが赤なので、丸ノ内線と同じだ。おまけにふかふかの座席。普通海外のシートはブラスチックなど固めな材質が多いことから、このふかふかシートは豊かな移動を提供してくれる。
冷房は壊れている。そのため窓全開。車内は暑い。日本の非常通報ボタンが今なお残る。日本語表記の下にスペイン語表記。まだこのボタンは押しても鳴るのだろうか。そこだけ疑問だ。
「運転室立ち入り禁止」。さすがにこの案内にはスペイン語表記はされていない。
海外の地下鉄はワンマン運転や自動運転化している中、日本の車両なのでまだまだ車掌が頑張っている。雇用創出にもつながっている。
色違いの営団地下鉄。
だんだん老朽化しているということで、入れ替えも時間の問題らしい。もしかしたら5年後には姿を消している可能性もあるだけに、貴重だ。
LineaCは東山線。吊かわが日本らしい。
日本の地下鉄が市民の日常の一部になっていると思うと、日本人として誇りだと思うし、とても嬉しく思う。
生活している彼らは意識していないだろうし、何も感じていないだろう。それでも陰ながら生活に貢献している。
◆他のスブテ
他の路線も簡単に紹介する。
こちらはLineH。
車内がレトロ。ブダペストメトロ思い出す。こういう雰囲気好き。
LineaA。新しい車両。
中は清潔。凄く近代的な車内。冷房完備なのでガンガンに効いている。
この車内の雰囲気、冷房完備・・・。「もしや」と感じたのはこの時。
案の定「メイド・イン・チャイナ」だった。価格面では日本は負けてしまう。やはりこういう国においては、耐久性とかよりかはコストが安いほうが有利だろう。
南米で旋風する「中国の風」。ここでも肌で感じた。
地下鉄に乗るときは、駅にも注目してもらいたい。一部の駅は個性的だ。
落書きされた車両も多い。ブエノスの特徴の一つでもある。イタリア人気質が入っているのか知らないけど、清潔なのは最初だけ。少し汚くなると一直線で汚くなっていく。こういう人たちなので、根本的に直すことは難しい。なので汚れにくい車体とかにするといいかも。
◆おわりに
ブエノスのスブテを紹介した。首都に訪れた際は、是非一度は乗ってほしい。
スリが普通にいるので、携行品の管理には注意してもらいたい。ラッシュ時には混むので気をつけよう。また車両によっては冷房が完備されていない可能性がある、夏はかなり暑いので熱中症対策をしてもらいたい。
味があるスブテ。安くて確実性が高い移動手段。たまにストライキしたり、日祝は運休したり、車両トラブルで1日stopしたりすることもあるけど、路線図通りなので一見さんには分かりやすいだろう。
地球の裏で活躍する、「メイド・イン・ジャパン」。実際に肌で感じてもらいたい。
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