【広州】アジア最大規模のアフリカ系・アラブ系の町「小北」に潜入する。

広州のエスニックタウン「小北」を歩いてみました。

2016年1月 1人民元=約18円

◆はじめに

中国で3番目に大きな都市・広州。そこにエスニックタウンがあると僕は聞き付けた。世界にはチャイナタウンが沢山あるけど、中国にエスニックタウンがあるとは。

しかもそれが「アフリカ系」と「アラブ系」というのだから、興味がそそられる。

彼らが多く住む「小北」(Xiaobei)というエリアに訪れてみた。

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◆小北の移民街

地下鉄5号線の小北駅D出口を出ると、「ここは中国か?」と思うような光景が待ち受けている。

通りを歩くのは殆どがアフリカ系の黒人。稀にアラブ系もいるけど、少し異様な光景だ。香水と軽いワキガが交ざった独特な匂いがある。

インターネットで小北について調べていると、彼らがここまで行き着いた経緯を知ることができた。以下が3つの参考記事だ。

toyokeizai.net

>広州のアフリカ人 文/日埜直彦(2011.07)

http://www.art-it.asia/u/admin_ed_columns/7wW934T8qhxig0ElI62t

www.recordchina.co.jp

簡単に話すと、元々は東南アジアにいたアフリカの貿易商たち。しかし90年代後半のアジア通貨危機により、拠点を東南アジアから広東省へと移した。それにより、広州にエスニックタウンが出来上がったのだ。

公式な発表では約2万人住んでいると言われているが、不法移民など合わせると約20-30万人ほどいると言われているらしい。そんないるか!?と思うけど、ここに訪れたら「あ、いるかも」と感じてしまう。

一概に「アフリカ」と言っても、アフリカは広い。北と南、西と東では全く違う。ここを見ている様子だと、西と東アフリカの人が多いようだ。北と南はさほどかな。

とはいえ、アラブ系も多く、こちらはエジプトやトルコ、シリアなど地中海沿いの人たちかなと。

 あくまでも統計に沿った形ではなく、今まで78ヶ国に旅した経験を踏まえての判断なのでご了承いただきたい。

ちなみに多くは不法移民とかで、中国の文化に従わないため、地元からはさほど好かれていないようだ。
世界で中国人が迷惑かけている、その気持ちが彼らは分かったのではないだろうか。

それにしても、中国人はアフリカに行き、アフリカ系は中国にやってくるトレード状態。そして中国人は国を出たいけど、アフリカ系は中国国籍を保持したい。世界は回っているのだと実感する。

◆ショッピングモール

話を現場に戻そう。小北駅を出た僕は、目の前にあるビルに入ってみた。そこはショッピングモールになっているのだ。

モールの中に入った瞬間「アウェー」を感じた。アジア系の肌がマイノリティなのだ。6割黒人、3割アラブ系、1割アジア系。

モール内は狭い場所の中にお店がつまっている。店員は中国人が殆どだが、買い物客はアフリカ系が多い。客層も全体的に若い、20代後半がメインではないだろうか。

お店は服を売るものもあれば、電化製品、バイクまで。一番入り口に近いところには携帯のSIMカードが。またFBとか繋げる特殊なもので、多くのアフリカ系が集まっていた。

民族衣装の店もあり、何だかアフリカ諸国のショッピングモールに来ている感覚だ。

東アフリカ諸国へ送る運輸会社も。こういう国旗が出ているところから、人が来ているので、一つの民族特定の参考になる。

2階には何故かサイゼリアが出店。よくここに入れたと思うけど店内は結構埋まっていた(木曜の19時頃)。客はアフリカ系と中国人が半々ぐらいである。

あまり写真は多く撮っていない。その理由としては、撮りにくい雰囲気なこと。そして不法滞在している人もいるから、顔ばれしたくないことである。

↓訪れたショッピングモール。

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◆エスニックストリート

ショッピングモールを後にした僕は「小北のメインストリート」と思われる場所へと向かった。
D出口を出て、そのまま反対の方向へ真っ直ぐ進んでいく。すると線路の下を通るトンネルがあり、そこを抜けると「中国ではない」。まるで川端康成の小説のようだ。

トンネルを出ると、胡散臭い照明と多くのアフリカ系の顔が出てくる。店の前には何をしているか分からないアフリカ系がたむろし、その横を民族衣装を着たおばちゃんがのんびり歩いている。

雰囲気を見ると西アフリカの人が多いのではないだろうか。とはいえ、キリスト教とイスラム教の人がごっちゃになっているので、一括りにできない。なので「アフリカ系」と分かりやすく書かせてもらっている。

さて、興奮してきた僕はとりあえずメインストリートを歩くことにした。
少し枝分かれしているので、まずは短い方の道へ。

ここでも商売をしているのは中国人だ。地元の利ということもあるのだろう。もしかしたら中国人相手に商売するより、彼ら相手にしたほうが儲かるのかも。

ここは電気系のエリア。照明とか販売している。雰囲気としては、中東諸国のバザールみたいな。イスタンブールにありそうな景色である。

メインストリートへと戻る。入口にはアフリカ系とアラブ系のレストラン。通貨はもちろん人民元だ。値段はリーズナブル、レストランでも20-30元ぐらい。食堂なら15元もあれば、お腹一杯になるだろう。ビリヤニが置いてあった。

奥へと歩き進めていく。夜ということもあり活気がある。

進行方向右手に屋内の市場が見えてきた。ということでもちろん入る。そこまで大きさはないけど、肉と野菜を売る店がたくさん。この雰囲気、東アフリカを思い出す。店員は中国人、買うのはアフリカ系だ。
魚を売る店はなかったけど、レストランには魚メニューがあった。川魚、淡水魚がメイン。

だんだん歩いてくるとコミュニティが変化してきた。最初はアフリカ系だったのが、段々とアラブ系へと変化してくる。宗教もイスラム教に。アラブ系言うても、中には中央アジアやウイグルの人もいるので、ここでも一括りにはできない。

この雰囲気、どことなく中東諸国を旅していたときのことを思い出す景色。やっぱ夜が盛り上がるんだよな、と感じながら店を冷やかしていく。

個人的に興味もった店。焼きたてのパンがとても美味しそうで、焼いてるおっちゃんがいい味出していた。

この通りではないだろうけど、時間帯やタイミングによっては娼婦も立っているらしい。一応胡散臭いエコノミーホテルはあった。通りの入口には移民局的なオフィスがあったので、取締は強化しているだろう。

さて話を戻すと、奥までまだまだ道はあるのだが、時間の都合上途中で引き返すことにした。そこから駅まで戻った。

↓この辺がエスニックストリート。

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◆おわりに

広州のエスニックタウンを歩いた。夜に歩いたのだが、雰囲気100点満点。毎日行きたいぐらい僕は気に入った。まだ表面的にしか見れてないけど、突っ込んだらかなり奥深い世界のはずだ。昼間は分からない、けど訪れる機会があれば夜にいってほしい。あなたの期待を越えるような世界が待っているはずだ。

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