2018年11月 1TND=約40円
チュニジアに来たからには、「シディ・ブ・サイド」(Sidi Bou Said)には行ってみたかった。
11月下旬のチュニス、曇り空が多い予報だ。
しかし到着した日の午後は少しの合間のみ、晴れるという予報。この機会を逃すわけにはいかない。
到着して直ぐに、シディブサイドへと向かった。
シディブサイドへの行き方
ここには電車で簡単に行くことができる。
チュニス近郊にあるので、半日もあれば余裕だ。
電車の出発地点は「チュニス・マリン」(Tunis Marine)駅。
空港からの635番のバスもすぐ脇のバスターミナルから出発するし、チュニスメトロ(トラム)の駅も反対側にある。
ちなみに国鉄のバルセロナ駅からトラムで2駅目。
運行会社は「TGM」というもので、チュニスマリンとラ・マルサを結ぶ1路線のみ。
チケットは窓口で購入。観光客が多いからか、英語が通じた。
行き先と枚数、クラスを伝える。
TGMには1等と2等が分かれている。単にシートが革か木製かの違い。
そこまで値段に差はないので、行きは2等、帰りは1等とかにしてもいいと思う。
ちなみに2等だと、シディブサイドまでは0.7TD(約28円)。安っ。
日曜に行ったけど、電車は10-15分に1本ぐらいで運行していた。
車体はエメラルドグリーンと白を基調としており、パリメトロみたいな色合い。
中はまあまあ年季が入っている。
ドアは自動なんだけど、たまに壊れているからその時は自力で開けよう。
電車はアナウンスもないし、駅に止まったら10秒ぐらいで出発してしまう。
ただし、シディブサイドだけは乗り降りが多いからか、ゆっくり止まってくれる配慮。
シディブサイドまでは約30分程。何か特徴があるわけではないから、駅名を見ていくしかない。
だいたい「カルタゴ」と着いた駅名が出てきたら、少しソワソワしてもいいかな。
「Carthage Amilcar」ていう駅の次。
駅は素敵な外観。
駅に降りたらそのまま出口に出て良い。
改札とかないから自由なんだけど、検札が稀にあるんだろうな。
ちなみに駅の窓口はクローズしています。チュニスマリンで往復買うのが良いかな。
無賃乗車し放題にしか見えない。
ちなみにTGMは子どもの遊び場としても使われていて、中学生ぐらいの子どもが電車の屋根に乗ったり、ドアから箱乗りしていたり、チキンレースをしていた。
我々には害はないけど、現地の人は「またやってるよ」みたいな顔をして、知らんぷり。たまに注意してる人もいる。日本だとすぐにSNS拡散にあって、痛い目にあうよな。
地図:チュニス・マリン駅。
地図:シディブサイド駅。
シディブサイドを歩く
シディブサイドは丘の町。石畳や階段、坂が多いからか歩きやすい靴で行こう。
シディブサイドはある程度の富裕層が住んでるけど、17世紀以降に当時村だったこの場所に目をつけたブルジョワ階級が住み着いたよう。なので、それが続いていると。
この青と白の綺麗な色合いは、1909年。
「シディ・ブ・サイドに邸宅をかまえていたロドルフ・デルランジェ(Rodolphe d’Erlanger)男爵の愛する青と白が強制され、岬の上へ無秩序な建物建設を禁じられた。こういった措置は世界で初めてシディ・ブ・サイドで指定された。」
(Wikipediaより引用)
へーという感じ。100年前の男爵の意向がなければ、今は違った形になってたのかもしれないよね。「白と青の小さな楽園」(petit paradis blanc et bleu)との異名も。確かにその通りだと散策して分かった。
駅を降りて、右手に進んでいく。
ここから青と白の家々が出てくるので、すでに「おー」となる。
ちょっと坂を上ると、左手にモスクがある交差点に到着する。そのまま左へ進もう。
再度二手に分かれる道があり、真ん中は公園みたいになっている。ここも更に道なり(左側)へと歩こう。
だいたいここからが、シディ・ブ・サイドの本領発揮となってくる。
坂が続く。11月は少し肌寒い気候なので良かったけど、夏は日差しが強く暑いので、水分補給は欠かさないでもらいたい。
青と白のコントラスト、そして青空。既に美しい。
ここはメイン通りともなり、お土産やさんが集まっている。
この通りから、小道が枝分かれしているので、迷ったらこの通りに戻ってくると分かりやすい。
先ずは、この道をまっすぐ進んでいこう。
両手にはお土産屋さんが並ぶ。皿や布など、売っているものはどこも大差はない。
あまり興味がないので、スルーしていく。
歩き進めていくと、右手に緑のある小さな広場が見えてくる。
この広場の下に、有名なカフェ「カフェ・シディ・シャバーン」がある。
ここからの眺めが最高とのこと。
特にカフェで休む気はなかったので、入口からの景色のみを撮らせてもらった。
そんなに飲み物も高くない(500円以下)だろうから、入ってもいいかもしれない。
再び道に戻り、今度は下り道となる。
ここが個人的にはグッと来たポイント(上の写真)。
地中海が目の前に広がるのだ。南欧でもこんな景色は見たことがなかったかもしれない。
青と白の建物と同等なぐらい、この景色は心を掴まれたな。
坂を下りていくと、地中海を一望できるビューポイントに。
真下はヨットハーバーがある。これは金持ちがいるエリアだと再認識。
地中海もエメラルドグリーンな色合いをしていて、穏やかで美しい。海は見るものを落ち着かせる効果がある。特に地中海。
ここがシディブサイドの一番奥なポイント。
あとは引き返すか、路地裏散策となる。
路地も適当にあるとはいえ、どこかしらには通じているから、地図を見ないで適当に散策していきたいところ。
チュニスは仏ぽい要素はあったけど、このシディブサイドはアンダルシアの白の村みたいな空気感があった。
それは、シディブサイドの家がアラブ建築とアンダルシア建築の組み合わされたものだから。
特に窓もそうだし、ドアは特徴的。
家によって少しデザインが違うんだよね。
それを見ていくのも面白い。
アラビックなアート。これアラビア語だよね。
あと、マルタでよく見かけた「出窓」がある家も。マルタとチュニジアは近いし、丘の上にあるから、風の通り道にもなるよね。
路地裏散策は面白い。しかし空が段々と曇ってきた。
そろそろ退散をするタイミングか。
小路を進んでいったら、再度地中海を眺めるポイントに。
しかし誰もいない。地中海を一人占めできてる。真横にはお墓。ここは穴場かもしれない。
途中、中国人御一行がいた。久々に彼らを見たな。
でも全体的に観光シーズンではないから?そんなに人は多くなかった。
てか、皆んなメイン通りだけで、路地裏には来ないから、写真も撮りやすかったな。
曇ってきて、晴れる見込みはなさそうなぐらい、雲が厚くなってきたので、さっさと駅に向かって歩き進めた。
地図:僕が好きな地中海一望スポット。カーブのところ。
地図:穴場スポット。このホテルの奥。地図には出ていない。
ちょこっと「ラ・マルサ」へ
TGMの終点に「ラ・マルサ」という地区がある。
ここは高級住宅地となっており、静かで穏やかな場所。地中海に面している。
どんなところか気になったこと、良さげなカフェがあったので、少し足を伸ばしてみることにした。
シディブサイドからTGMに乗ってもいいし、歩いてもいい。
特に何かあるわけではないけど、大学があるからか、学生の姿がとても多い。
コルニーシュ沿いはヤシの木と目の前に地中海が。
ここにも良さそうなカフェを発見。ラ・マルサはカフェが多くて、チュニス中心部ではお見かけしない店が沢山。
目につけていたのが、「Cosmitto」という店。
いくつかチュニス内に展開していて、金持ちエリアにしかない。コーヒーも5TD(約200円)前後と日本に比べたら安いけど、現地感覚だと高い。ここは別途記事を紹介する。
少し落ち着く場所なので、のんびり散歩してみるのもありだろう。
帰りも始発だから必ず座れる。
地図:Cosmitto Marsa
地図:マルサのコルニーシュ
まとめ
シディブサイドに行ってきた。
「白と青の小さな楽園」の異名はその通りだと思う。初めて「ブルー・スカイ・ブルー」という言葉を使いたくなった。
秋や冬は天気との兼ね合いもあるので、予報を気にしてほしい。夏は有無を言わさず快晴となるので、どのタイミングでも良いだろう。
朝は人が少なくて、フレッシュな雰囲気で歩けるかも。賑やかなのは昼過ぎ。
お土産屋さんは多いけど、一般の住宅地になるから、レストランや売店はそこまで多くはなかった。
メイン通り沿いにあるけど、少し微妙な雰囲気。ここでは特に飲み食いはしないで、散策だけするのが良いと思う。