2018年11月 1EGP=約6円
エジプトに滞在していると、ムスリムの国であることを嫌でも感じるはずだ。モスクは至るところにあり、一日5回のアザーンに耳も慣れてくる。
しかし、エジプトという国は宗教に関しても奥深い世界だ。
5年前に訪れた時は気にもしなかったけど、少数派のキリスト教徒がいる。それがコプト教だ。
エジプトで独自の教義を発展させたキリスト教の一派である。弾圧されながらも、生き抜いてきた彼らたち。今もテロの標的とされ、カイロ近郊のコプト教会が爆破されたこともあった。
今回は、カイロ市内にあり、観光地ともなっているコプト教会について紹介していきたい。
コプト教会へのアクセス
カイロの観光地の中では一番簡単な行き方。それはカイロ地下鉄駅の目の前にあるのだ。
カイロメトロ1号線。「Mar Girgis」駅が最寄りとなる。
タハリール広場からだと4駅目。3ポンド(約18円)。行き先を言って切符を購入する。
地下鉄は一部の新しい車両は冷房付き、車内アナウンスがあるけど、大抵は古い車両。非冷房でアナウンスもない。
ただ路線図は車内にあるので、それとにらめっこする形となる。
夕方はラッシュで混む。端っこがまだ空いてる。極端に混んでる電車は、遅延していて混んでることが多いから、1本見送るといいかも。
駅から眺めると、聖ジョージ教会が見える。
地下鉄と教会、イスラム教の国に居るとは感じない。
改札を出て、右手がコプト教会。左手が聖ジョージ教会。ほぼ目の前がコプト博物館。
両教会は入場は無料、博物館は有料。
コプト教会
15時頃着。ツアー客がかなり多かった。
中国人は置いておいて、スペイン人、フランス人、フィリピン人と多数。カトリックな方々。
コプト教会と言ってるけど、アラビア語では「エル・モアッラカ教会」、英語名「Hanging church(ハンギング チャーチ)」とも呼ばれている。
ただここでは分かりやすいように、コプト教会という形で記載させてもらう。
このモアラッカというのは、ローマ時代に造られたバビロン城の門の一部が床に使われているようだ(気づかなかった)。
その上に建てたことで、「吊るされた」という意味のアラビア語「ムアッラカ」と呼ばれるようになったとのこと。
元々は7世紀に建てられたけど、9世紀に壊され、幾度となく改修していったけど、今は一部しか残ってない。行けば分かるけど、結構こじんまりしている。
屋内(礼拝堂)は撮影禁止なんだけど、ミサがちょうど執り行われていた。厳粛な空気、カイロでキリストな一面を見れるとは。
天井はノアの箱舟をイメージしているようなので、こちらも見ておきたい。
こういう絵タッチも、なんかプロテスタントやカトリックとは違うなと感じる。
コプト教の教祖様たち。聖職者の格好も独特。ギリシャ正教会も似たような雰囲気だよね。
聖ジョージ教会
続いて聖ジョージ教会へ。正式は「聖ゲオルギウス教会」。
ここは、「ヘロデ王の迫害から逃れた聖母マリアと赤ん坊のイエス・キリストら家族が、エジプトに逃れた際に一時身を寄せていた場所に建てられた」とのこと。まあまあ大事なポジションであることが分かる。
ここも7世紀に建立。しかし取り壊されていたりしてるから、1857年に再建されている。ここはエジプト唯一のドーム型の教会。貴重だよ。
たまたま観光ツアーと重ならなかったから、静かな空気の中、教会内を見て回れた。
そんなに行ける範囲は広くはないけど、天井に描かれたキリストのフレスコ画を見ると、「こういう世界もあるんだ」と感じる。外に出れば、一気にムスリム感に戻るので、キリスト教徒の拠り所だよね。
教会と駅の近さが分かる一枚。
ギリシャ文字。ギリシャ正教会の一派と認識している。
まとめ
カイロで珍しいキリスト教の世界を紹介した。
タフリール広場から地下鉄で10分ぐらいとかなり近い。しかも駅前というのもポイントが高い。
なので、少しカイロ観光に疲れたり、サクッと見たい場合はちょうどいいと思う。カイロメトロで少し疲れるけど。
エジプトの中のキリスト教、これを機に少し気にしてみる機会になればと思う。
地図: