【旅コラム】世界88ヶ国を訪れて判断する「治安の良い都市」（中東・アフリカ編）

世界の治安の良い都市をご紹介します。

2015年（2016年7月更新）

◆はじめに

2016年7月現在、世界88ヶ国に訪れさせてもらった。

治安のいい場所もあれば、治安の悪いところもあり。それぞれ国や都市で見せてくれる性格が違うので、とても面白い。

当然、何事もなく旅を終えたいので、なるべく治安のよい場所を選ぶようにしている。好き好んで治安の悪い場所に行こうとはあまり考えない。

今回は、僕が世界88ヶ国、200都市以上に訪れて判断する「治安の良い都市」を紹介する。今後の海外旅行の参考にしていただきたい。

治安の基準

「治安」と言っても色んな条件があるはずだ。人それぞれ基準が違うので、今回は以下のポイントでまとめた。

【基準】

・スマホや財布をポケットに入れておいても盗まれないところ

・公共交通機関で寝ていても問題なさそうなところ

・夜でも歩ける場所

・両親や友達を安心して案内できる場所

以上の4点だ。旅行者目線で書いてあるので、現地に住むとなると話は違ってくるだろう。あくまでも「旅行」という目的の評価であることをご了承願いたい。

「世界の治安のいい国ランキング」とかでは、北欧やスイス、アイスランド、カナダ、オーストラリアなどがランクインされているけど、僕はこれらの国は物価の高さから敬遠して訪れていない。

また、台湾や韓国、中国などの東アジアは「当たり前」なので今回のランキングには入れていない。

なので、この手のランキングとは違うので、見比べながら参考にしてもらいたいと思う。

今回は「中東・アフリカ編」だ。

※中東・アフリカで訪れた国※

中東：トルコ、ヨルダン、イスラエル

湾岸：UAE、カタール、オマーン

北アフリカ：モロッコ、エジプト、スーダン

東アフリカ：エチオピア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア

西アフリカ：ナイジェリア、ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、セネガル

南アフリカ：ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ

世界の治安が良い都市

イスタンブール／トルコ

イスタンブールは治安の良い都市だ。テロやデモなど噂されているけど、デモは事前予告されるので問題なし。ISISの影響で「トルコ危ない！」という人がいるけど、国境からイスタンまでかなりの距離が離れているので、危害が及ぶことはないはずだ。

たまに胡散臭い奴はいるけど、秩序も一応保たれているし、夜も普通に出歩けるし、トラムや地下鉄、路線バスも問題なし。一人旅デビューにはオススメできる都市だ。

今のご時世、不安に思われる方もいるだろうけど、イスタンやカッパドキアなどのトルコ西部周遊は大丈夫だ。

⇒2016年7月現在。渡航はオススメしません。2015年に書いた時はまだよかったのですが、この1年で急激に変化しました。

Turkey カテゴリーの記事一覧 – El Mundo

ドーハ／カタール

近年成長を続けるドーハ、イスラム圏故の治安の良さ。街歩きをしていて不安に感じることはない。インド系多いけど、国外退去が怖いので悪さをする輩はいない。というかスリランカ人とかいたので、逆にいい人が多かった。

W杯が今後開催されるが、訪れる方は何も不安に感じなくてよい。

Qatar カテゴリーの記事一覧 – El Mundo

ドバイ／UAE

ドバイもドーハと同じだ、特にコメントをすることはない。メトロもバスもタクシーも問題なし、英語話せる人多いので旅行で困ることはないだろう。むしろドバイでアラビア語を使う機会のほうが少ないはずだ。

路線バスではインド系の労働者やフィリピン人が居眠りしているぐらい。ISISの影響で中東全体で治安が悪くなっていると考えている人もいるけど、少なくとも湾岸諸国は例外となるので、安心してもらいたい。湾岸諸国は基本安全だ。

UAE カテゴリーの記事一覧 – El Mundo

マスカット／オマーン

オマーンという国は信じられないほど治安が良い。僕がこれは保証する。昨夏に訪れたけど、何も不安に思うことはなかった。他の湾岸諸国に比べて現地人と触れ合うことが多かったのだが、オマーン人、移民のパキスタン人とめちゃくちゃ優しかったのが印象的。

「中東の日本」を目指すオマーン、是非訪れていただきたいほど。町を歩けば分かるけど「ここで犯罪なんか起きるの？」と思えるほど、安定している。

【オマーン】マスカットの街情報 – El Mundo

アンマン／ヨルダン

中東の中でも安定しているヨルダン。首都アンマンも安定度は高い。

街中を歩いて、「怖いな」「大丈夫かな」と感じることは全くない。それ以上に優しいヨルダン人がお手伝いをしてくれる。人の良さで判断するならば、ヨルダンはかなり上位にくるはずだ。

そこまでイスラム教は強くはない、けどイスラム教の良い部分をしっかりと行っている。

今はISISの影響で「中東怖いな」と思う人もいるはずだ、もし不安に感じるなら行かなければいい。落ち着いたら次の旅行の候補地にヨルダンを選んでもらいたい。

Jordan カテゴリーの記事一覧 – El Mundo

カルツーム／スーダン

情勢が不安定なスーダン。地方に行けば紛争地域があったりする。首都カルツーム（ハルツーム）はその中では安定しており、治安は良いと言える。

これは住むと別問題になってくるので、あくまで旅行をする分の話だ。夜でも出歩ける街、イスラム教の国なので犯罪が起きることも少ない。そしてスーダン人のホスピタリティ精神が深いので、色々助けてくれる人も多い。

エジプトの後だったので「何か見返りを求めてくるのでは」と慎重になっている部分があったけど、そのようなことはなかった。英語も話せる人が多いので、個人的には面白いと思える都市であろう。

Sudan カテゴリーの記事一覧 – El Mundo

キガリ／ルワンダ

「アフリカで一番治安が良い都市」。北、東、南アフリカ地域を訪れて感じることだ。ルワンダという国は訪れる前は特にイメージもなかったのだが、実際に行ってみて印象ががらりと変わった。虐殺という負のイメージはなくなり、「治安が良い」「町が奇麗」「経済成長」というプラスの3イメージが僕の中に加わった。

昼でも安心、夜でも安心。アフリカで夜に出歩ける都市は少ない。かなり貴重な場所でもある。

ちなみに、バイクタクシーは1人まで。ヘルメット必須と安全面にも気遣うところ。ゴミ一つ落ちてないキガリの街並みにも注目してもらいたい。

【ルワンダ】「ここアフリカ！？」シンガポールより綺麗な首都・キガリ – El Mundo

ザンジバル島／タンザニア

「アフリカの楽園」と呼ばれるザンジバル島。本土のダルエスサラームは本当に治安が悪い場所なのだが、少しフェリーに乗るだけで、ダルエスとは正反対の場所へ行きつく。

ザンジバル島の治安が良いのは「島」ということもあるだろうけど、イスラム教徒が多いことも影響しているだろう。タンザニアはキリスト教徒が多い国だが、ここの楽園だけは逆転現象が起こる。村や町にはモスクがあるし、女性は顔だけ出して街中を歩く。それ故に、治安も良ければ人も良いという「イスラム教の良い部分」が残っており、とても穏やかな気持ちにさせてくれるのだ。

アフリカでのんびりしたい、綺麗な海をみたい、人と触れ合いたい・・・。ザンジバル島はあなたを待っている。

【タンザニア】「アフリカの楽園」ザンジバル島でのんびり – El Mundo

ダカール（セネガル）

こんなに平和な町があるのか、と驚いてしまったダカール。

アフリカの中で1位、2位を争うほど治安が良いと感じる。

理由はいくつかあると思うが、大きいのはイスラム教ということだろう。ザンジバルやスーダンと似たような理由である。

エボラの影響で一時期観光客は減ったのだが、セネガル自体は大きな問題にはなっていないので安心してもらいたい。また、今なら日本人はVISAなしで行けてしまう。基本的にVISAがいるアフリカの国にしては珍しい。

ダカール、僕が好きな街だ。実際に訪れて治安の良さを感じてもらいたい。

カンパラ／ウガンダ（次点）

次点でカンパラを挙げる。ココはルワンダと同様に治安が良い首都、夜に出歩いても何か問題が起こるようなことは少ない。街中はキガリとは違いゴミゴミしているし、バイタクもノーヘル＆3人乗車可能なのだけれど、何故か安定しているのだ。お隣ケニアとは大違い。

ちょっと不安な部分もあるということ、隣のルワンダの治安が良すぎるということで「次点」とさせてもらった。

マラケシュ／モロッコ

モロッコの有名観光地マラケシュ。イスラム教徒が多いこの国では治安も安定している。情勢も安定しており、過激派も少ないので、某ISの影響も少ない（はず）。とはいえ、モロッコでは女性が被害に遭ったり、ボッタクリも多かったりするので警戒は必要だ。普通に歩く分には問題ないけど、声をかけてくる奴には気を付けて。

ということから次点にした。夜も出歩ける町なのだが、女性一人だと不安がかなり残る。