2019年12月 1SAR=約30円
リヤドではバトハー地区に滞在をしていた。
ここが立地も良く(観光スポットにアクセスがいい、路線バスが通っている)、
周辺にレストランもあり、そして宿代がそれなりに安かったので滞在していたのだ。
このバトハー地区は「リトルマニラ」とも称されるフィリピン人タウンであった。
そのリヤドで生きるフィリピン人の様子を紹介したい。
サウジアラビアのフィリピン人
先ずサウジアラビアのフィリピン人たちについて紹介をしておきたい。
出稼ぎ労働者はアジア全体で約7,500万人いると言われている。うち湾岸アラブ諸国では約2,500万人と最大の数を誇る。
バーレーン:約70万
クウェート:約286万
オマーン:約184万
カタール:約168万
サウジ:約1,020万
UAE:約800万
サウジがダントツで出稼ぎ労働者の数が多い。
サウジアラビアには多くの国からの出稼ぎ労働者が働いている。
フィリピン、インド、インドネシア、バングラデシュ、パキスタン、イエメンなど。
その中でフィリピン人は2010年のデータだが、約151万人滞在していると言われている。国外で働くフィリピン人は約900万人となるので、サウジ滞在だけで1/6を占めるのだ。
一般的にフィリピン人が多いと言われるUAEでさえ、約64万人なのだからサウジの数がどれだけ多いのかが分かるだろう。
ちなみに全世界にいるインド系は2015年国連データでサウジには約189万人いるので、かなり数としては近しい。
フィリピン人はキリスト教徒が殆どであるけど、サウジに来る人たちは南部のイスラム教地域であったり、結婚してムスリムへ改宗したり、現地に来てイスラームの教義に惹かれて改宗したりするらしい。
とはいえ、サウジ含めた湾岸アラブ諸国は2年の就労ビザがおりるので、全員がムスリムというわけではない。
「出稼ぎ」になるので一定年働いて帰ることになるので、キリスト教徒のままというケースも多々だ。そこは個人のパーソナルヒストリーで変わってくる。
実数は定かではないが、フィリピン人はリヤドに多く滞在している。ダンマンやジェッダにもいるけど、他国移民の方が多いように感じた。
リヤドはフィリピン航空とサウディアがマニラにそれぞれ直行便を飛ばしている。
そのフィリピン人の多さを踏まえて、バトハー地区の雰囲気を紹介していきたい。
バトハー地区の立地
バトハー地区はリヤドの中心に位置する。リヤドは南北に広がる街になるのだが、バトハーはちょうど真ん中あたりにあるのだ。
この近くには国立博物館やマスマク城などあるので、過去の中心部とも言える。またバトハーはバングラやインド系も多く住むので、エリアによって性質が異なるので、その違いもとても面白い。
F:フィリピン人エリア
S:スリランカ
P:パキスタン
I:インド
B:バングラデシュ
またバトハー地区は路線バスの起点にもなる。9番は南北を走るのでバトハーは通過点でしかないのだが、他のバスはここが起点となるので「バトハー」という名前は憶えておいて損はない。
バトハー地区を歩く
では実際にバトハー地区を歩いてみよう。歩くのはこの周辺。ここが「リトルマニラ」という感じの空気だ。
地図:この駐車場の北側
最初に感想を伝えておくと「とても面白かった」。
フィリピン人がリヤドに多いという事が頭に入っていても「うぉー」と僕は唸ったほど。
エスニックコミュニティが好きな人はツボに入るんじゃないかな。
フィリピン人街の南には「Manila Plaza」というショッピングモールがある。モールというほど広くもないし、基本店が閉まっているけど、これだけでフィリピン人コミュニティがあるということを感じられる。
モールのマークはジプニーだ。
北へ進んでいくとそこは「リトルマニラ」。マニラより治安は良く、道の綺麗さは同等レベル。下町である。
リヤドの街を歩くと女性の少なさに驚くであろう。しかしここでは女性が多く買い物をしている。そして顔も出している。
フィリピン女性と言うと、派手な衣装、露出が多い恰好というイメージがあるけど、ここではサウジアラビアの文化を守っている。アバヤに身を纏った姿は新鮮味がある。本国でも中々見ることができないだろう。
彼女らはメイドが一般的である。男性は技術職など。一般的にはブルーワーカーと言われるような職種である。
彼らを見ていると、ドアtoドアでここまで来ているようだ。車を持つ人は多くないので、乗り合いタクシーなどを駆使している様子。皆で動けば安上がりだし。なので単独で動いているフィリピン人は少ない。
道端の青空市場。この景色だけで「サウジアラビア」と答えられる人は少ないんじゃないかな。
ここは店員さんに「写真撮って!」と言われたので、撮影させてもらった。個人的には「This is Saudi Arabia」という絵だと思う。面白い。
こういうのがいいよね。
エリアとしてはそこまで広くはない。そしてショッピングモールが多い。
中に入るとSIMやスマホを売る店、フードーコートなどある。フィリピン系が多いのが「Villagio Mall」。
サウジ人よりフィリピン人の方が多い。最上階のフードーコートは「ここはフィリピンかな」と思うぐらい。
他にもフィリピンを感じさせるような広告や店などが多い。治安は良い。
ただフィリピン人タウンだけど、時計の針はサウジアラビアなので、お祈り休憩や午後のお休みなどは他と同様になるので注意。
イスラムセンターもある。フィリピン人の改宗を狙っている。モニターに出てくるのもフィリピン人。
フィリピン人は単独ではなくチームやコミュニティで動くので、一人で心細い人を誘うのは簡単だろうなと思った。
セブパシフィックの看板があるが、セブパシフィックは中東はドバイしか就航していない。
もしかしたらフィリピン国内やドバイからの航空券を含めてかな。セブパシフィックはLCCなので取り扱いができる代理店も限られてくるし。
バトハー地区のフィリピン料理屋さん
バトハー地区に滞在していたこともあり、リヤドではフィリピン料理を結構食べていた。
食べたお店を紹介していきたい。詳細は個別の記事にしているので確認してもらえれば。
1. Pinoy Restaurant
2. Aling Inasal Pinoy Restaurant
3. Jollibee Villagio Mall
4. Chowking Batha – Villagio Mall
この店は詳細記事を書いていないので、ここで紹介。
上記ジョリビーの向かいにあるお店。ハロハロ12リヤル(約360円)を堪能した。
まとめ
リヤドのフィリピン人タウン「バトハー地区」を紹介した。
ここはサウジアラビアの一つの雰囲気を味わえる場所だし、エスニックタウンとしてはとても面白い。
中々海外で大きなフィリピン人タウンやコミュニティというのは意外と少ないので(ドバイやアメリカぐらい)、興味があれば是非立ち寄ってみていただきたい。
興味がなくても安価にご飯が食べられるエリアなので、ランチやディナーの候補の一つにしてみてもいいだろう。