【スペイン】バルセロナ:穴場スポット。昔の刑務所「La Model」が面白かった。

2019年1月

1月のバルセロナ旅行。
何か面白そうなイベントはないかと検索していたら、刑務所を散策できるツアーがあるというのを見つけた。
しかも入場は無料とのこと。これは行くしかないと、サンツ駅近くの「La Model」に行ってみた。

La Modelへのアクセス

La Modelはサンツ駅近くに位置する。
サンツからだと徒歩10分ぐらい。一番簡単のは地下鉄L5「Entença」駅から歩くこと。徒歩1分だ。

刑務所なので入口は一か所となる。入口は北東。地図で見ると、敷地の右側となる。
なのでサンツ側だとは反対になるので、「サンツから近いじゃん」と思わないで。

地図:

URL: https://lamodel.barcelona/

La Modelの歴史

La Modelは1887年に建設スタート。バルセロナ万博の1年前の世界だ。
目的としては、模範的な刑務所を作るため。周辺の刑務所の状況が悪化しているため、収容者を流すわけでもあった。

1904年にオープン。しかし1906年に暴動発生。模範的な刑務所とは。
1908年には最初の処刑も行われた。スペインは1995年に死刑が完全廃止されている。

月日は経ち、1939年。ちょうどフランコ政権下である。
ちょうど1月にバルセロナに陥落したことで、カタルーニャ地方もフランコの支配下に置かれた。
そのため、La Modelには一般の囚人だけではなく、フランコに弾圧された人たちも収容されていた。
なので、政治的・文化的な人も入っていたのだ。

1955年にはLes Cortsの女性刑務所が閉鎖されたことにより、女性の囚人もLa Modelに移ってきた。
1963年の7月に新たな女性刑務所が出来るまでは、男女混合されていたことになる。

1976年になると、バルセロナの都市計画により刑務所の縮小化が考えられるようになった。
La Model内でも暴動は絶え間なく続いており、治安悪化が懸念されていた部分もある。

月日がたち、1995年。カタルーニャ議会にて、新たな刑務所を作る動きを承認。
街中ではなく郊外への刑務所移転が計画されるようになった。
そして2017年に刑務所閉鎖の契約が結ばれ、2017年6月8日に113年の歴史に幕が閉じたのだ。

刑務所を散策する

ツアーも毎日行われているわけではない。一定期間の決まった曜日と時間のみだ。
とはいえ、2019年は1月から11月まで開かれている。基本空いているのだ。

中を見学できるのは、金土のみ。
金は15-18時、土は10-18時まで。敷地は毎日10-19時まで空いているけど、入口のわずかなところにしか入れない。
またエントランスに入った右側にトイレがある。無料。冬は寒い。

サイトを見ると、1ツアー30人/15分と書かれているけど、実際は誰かが案内してくれるツアーではなく、自由に見て回ることができる。
また15分以上いても何も言われない。なので、かなりフリーなツアー。

金曜の15時に来て、第一のツアーに参加。特に身分証の提示もないし、エントランス入ったところにいて、門が開けばそのまま自由にいける。
なのでスペイン語ができなくても、問題はない。ただ中の説明はスペイン語とカタルーニャ語のみ。事前にHPなので翻訳しておくと、中の理解が少し深まるかも。

15時オープン。早速中に入る。

入ってすぐ右手は面会室。面会室ってどれぐらいの広さとか考えたこともないし、映画でしか見たことがない世界。
あくまでもLa Modelの話になるけど、結構狭いなと思った。人が一人入ってようやくていう感じ。
勿論ガラス窓。こういう感じなのか。初めて見た。

所々に鉄格子があるし、扉もあるから「あ、刑務所だったんだな」と感じる造り。

奥に進むと囚人たちが実際に収容されていた部屋を見ることができる。これも本邦初公開。

年代ごとにどれぐらいの人が入っていたか、という展示がされている。
この2人は刑務所の初期や末期あたり。まあ許容範囲。

ちなみにフランコが独裁をしていて、政治犯など問答無用でぶち込んでいた時。
ちょっとこれは多すぎじゃない?

部屋は想像以上に狭め。
奥にベッドがある。

その横にはデスクと椅子。


入ったところにはトイレとシャワー。シャワーは日本人ならいいけど、体格大きい人なら身動き取れないんじゃないかというレベル。

窓には勿論鉄格子。ここに缶詰されるのは、精神に異常をきたすレベル。
光を好きな時に浴びれないのは辛いな。

3段ベッドの部屋も。だいたいは2段ベッドとかだったんだろうな。
そう考えると窮屈だし、息が詰まるな。。。

最奥が大きなエリアとなる。教えてもらったけど「パノプティコン」とのこと。
全展望監視システム。中央の詰め所から全方面に監視ができる状況。
円形な形が特徴となる。


ここがかなり天井が高く、写真で収めきれない程。HPの写真がどれくらいの規模なのかわかりやすい。
これだと全方位見れるから、監視しやすいよな。よく考えるなって。

このエリアから右手に進むと同様に囚人部屋。ただ先ほどとは違い、3階建てになっている。
なんだかショーシャンクで見た世界だぞ。
朝晩は点呼していたのかな。ショーシャンクの空にでしか得てない知識で色々想像してしまった。

ちなみに。散髪屋が奥にあった。部屋にポツンと椅子が一つ。

外に出るとグラウンド。広く見えたけど、この収容人数から考えると、狭く思える。

外から眺めると、円形のパノプティコンていうことが分かりやすい。そして壁は高い。

だいたいここまで30分程。僕はどこでも見学スピードが一番速いんだけど、その僕で30分はかかった。なので普通ならば1時間ぐらいかかる計算になる。
ここまで自由に歩けて、しかも刑務所という中々見れるような施設ではないで、貴重な体験になった。
帰る時は勝手にして良い。

まとめ

バルセロナの刑務所「La Model」を見学した。
期間限定ではあるけれど、とても興味深い施設だ。金土と被るようならばどうだろ。
サンツ駅から近いし、立地としては悪くない。しかも無料で見れるのだ。言葉の心配も要らない。
良い社会勉強スポットであると思う。

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